過去ログ - これは、幻想に打ちのめされた男の話
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250: ◆3vJ/24qVzU[saga]
2014/03/18(火) 18:00:20.16 ID:fI2wOcj60
 最初は双子の弟──博嗣と長男である僕がアルバイトでどうにかしていた。
だが、高校卒業後は、なまじ勉強できる僕に気を遣ったのか、兄弟たちは大学進学を勧めてきた。
博嗣も「俺が働くからいい」と、僕を大学へと送り出そうとした。ある種の期待も
込もっていたのだろう。

 僕もそれに応えなければと考え、ひたすら勉学に打ち込んだ。奨学金制度を
可能な限り多く使う為に。より良い大学に行く為に。



 大学進学後も、可能な限りバイトは続けた。しかし、それでも苦しかった。
収入減を少なくできたのは、職についた博嗣のお陰である。



 しかし、悲劇が博嗣を襲った。



急性白血病で倒れたのだ。



 稼ぎ頭である博嗣の不在だけでも痛いのに、治療費までもがのしかかる。
骨髄移植が可能である寛解まではうまくいったとしてもしばらくかかる。

 どうして博嗣が。せめて俺が罹れば良かったのに。俺なんかより、
きっとあいつの方が必要なのに。


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