11: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/13(金) 23:59:23.92 ID:zMZ2R4gZ0
『君、アイドルプロデュースをしてみないかい?』
『はい? アイドル……なんですって?』
バイト先にやって来た眼鏡のおじさんは唐突にそう言った。なんでも新しく芸能事務所を設立するにあたって、新たにプロデューサーを雇う必要が出来たとのことだった。
どうして俺に話したか聞くと一言『ティンと来たから』とだけ答えると、バイト中にも関わらず、面食らった俺を強引に事務所へと連行していった。
その間わずか数分。実に見事な手際だ。
事務所に着くなりおじさんは俺にこう言った。
『今週中に1人スカウトして、プロデュースして欲しい』
よくわかっていない俺をよそに、おじさん(実は社長だった!)と緑の服が似合う可愛らしい事務員さんから色々な説明と説得を受けて。
『ガンバリマス?』
少々強引な形で俺は芸能事務所に就職してしまった。
就職難という時代を考えると、羨ましい話かもしれない。この事務所が普通の企業ならの話だが。
所要時間は1時間もなかった。トントンと話が進んでしまったため、正直言って今でも実感がない。プロデューサーとマネージャーの違いを答えろと言われても正しい返答が出来ないと思う。
それでも俺はこの仕事をしてみたいと思えた。どうしたかは分からない。ただこれも縁だ運命だと考えると、自然に契約書にハンコを押していたのだ。
ちなみにハンコは事務員さんが持ってきてくれた。なんで都合よく俺の苗字のハンコを持っていたのかは……不明だ。
866Res/847.25 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。