24: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 00:24:59.36 ID:g5646tB80
彼の顔と携帯画面を交互に見る。はっきり言って怪しいことこの上ない話だ。
だけど私は彼の言っていることに嘘はない、嘘を吐いている目じゃない。そう感じていた。
何故かと聞かれても、はっきりと答えることはできない。言ってしまえば、直感なのだから。
「は、はい。ちゃんとした事務所ってことは分かりました。あれ? ってことは……」
私今、アイドルにスカウトされている?
「どうかな。小日向さん、アイドルに興味ないか」
「えええええええ!?」
「のわっ!!」
急に大声を出した私に驚いて、彼は大袈裟にのけぞる。
「こ、小日向さん?」
「わ、わ、わ、わたっ! 私が、アイドルぅ!?」
「とりあえず、落ち着こうか小日向さん。ほら、深呼吸深呼吸」
「お、落ち着いていられましぇんよぉ! だ、だだってぇ! あ、あ、あ、アイドルですよ!? む、無茶苦茶です! そ、そんな髪形を変える感覚で言われても、こ、ここ困ります!!」
「まぁ無茶苦茶な話かもしれないね。正直俺も、実感が湧いてないし」
私が落ち着いたのは、バスがやってきた後のこと。ベンチに座っておきながら乗らない私たちを、運転手さんはしかめっ面で見ていた。
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