33: ◆CiplHxdHi6[saga]
2013/12/14(土) 00:49:34.05 ID:9Oq90F5Q0
「ちょっと待った」
「へ?」
俺が呼び止めると、彼女はキョトンとした表情で俺を見ていた。彼女に近づいて、頭に付いたままのそれを取る。
「きゃっ」
「良し、取れた。さっきのさっきまでこれの存在を忘れていたよ」
「え、えっと……。羽ですか?」
「うん、見事なまでに白い羽。小日向さんが寝ていた時に付いたのだけど、教えるタイミングを逃しちゃってさ。それに、自然なものだから取るのを忘れちゃっていて。何の鳥だろうね、ハトかな?」
「そ、そうだったんですか。ってことは、い、今の今まで、ずっと付いていたんですよね? う〜、何でバスに乗る前に教えてくれなかったんですかぁ」
「ははは、ごめんごめん」
「はぁ、絶対皆笑っていましたよ……」
しょんぼりとする小日向さんをよそに、俺は羽をかばんの中に入れた。
「あれ? それ、持って帰るんですか?」
「あー、うん。記念品ってとこかな」
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