3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/12/14(土) 15:05:47.12 ID:AcfzH5Nx0
QB「出ないのかい?」
QB「もしかしたら、君が本当に望むものがそこにあるかもしれない。そうだろう?」
二度目のチャイム。
ほむら「……」
固く閉じた眼を開け、無言で立ち上がると
ほむらはそのまま玄関へと向かって歩き出す。
思いつめたような顔でドアの前に立つほむら。
しばし逡巡した後、ノブへと手を掛けると
息を呑みながらほむらはドアをゆっくりと押し開けていく。
金属の擦れる音が静寂を裂いて、内と外との境界を曖昧なものとなる。
限界いっぱいまでドアが開いた。
ほむら「……」
その先では、どしゃ降りの雨だけがほむらを冷たく出迎えた。
目の前に居るはずの、とある人物の人影はそこには存在しなかった。
ほむらの口から軽いため息が漏れる。
QB「今、君が抱いたその感情は安堵かい?」
立ち尽くすほむらの背中にキュゥべぇが声を投げかける。
QB「それとも落胆かい?」
ほむらは答えなかった。
押し黙ったままの暗い瞳に、降りゆく雫が映し出されている。
雨は激しさを増して、
足元の乾いた床に消える水の音を呑み込みながら
いつまでも止むことなく、降り続けていた。
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