10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/15(日) 01:46:37.35 ID:HJFvpnSw0
聖來「…ねぇ。わんこはどう思う?」
そう言って、わんこの鼻の近くに足を伸ばす。
わんこはアタシの足に気付き、ボールで遊ぶのをやめて臭いを何度か嗅ぐと、短く1回だけ“わん”と吠えた。
喜んでいるのか、怒っているのか、嫌がっているのか。
はたまたまったく別の表現なのか。
アタシには、その時のわんこの気持ちはまったくわからなかった。
そもそも、お風呂に入ったばかりで石鹸の臭いのする足を嗅がせてみても、あの臭いの反応とは違うと決まっているのだ。
それでもやはり、わんこも嫌がるに違いない。
刺激臭から顔を背けるのは、危険なものから身を守るという、一種の防衛本能でもあるのだから。
けれども、いつまでもそんなことを考えていても仕方が無い。
自問自答を繰り返したところで、いつまで経っても答えなど出る筈は無いのだ。
聖來「…よっし!そろそろ寝よっか!」
ベッドの下のわんこを抱きかかえて電気を消すと、アタシは一緒にタオルケットの中へと包まった。
考えはまとまらず、もやもやした気持ちは残っていたが、寝てしまえば関係のないことだ。
明日からもまた、忙しないアイドルの1日が始まる。
そうなってしまえば、こんな他愛の無いことなど考える暇も無いと、そう自分に言い聞かせて目を閉じた。
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