過去ログ - 佐久間まゆ「いつもあの子がそばにいる」
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aho
◆Ye3lmuJlrA
[sage]
2013/12/16(月) 21:51:47.02 ID:pFDECU7w0
「あ、ひょっとしてぇ……」
と、まゆがどこかねっとりした目でプロデューサーを見る。
「まゆがプロデューサーさんのこと尾行した……なんてお考えですか?」
「……いや、それはないな」
半ば渋々と、プロデューサーはそう認める。
「アパート出てからもずっと気をつけてたが、尾行されてる気配は一切なかった」
「うふ。プロデューサーさんの尾行を見破る技術は、探偵さん並ですものねぇ」
「ああ、誰かさんのおかげですっかり世界レベルになっちまったよ」
プロデューサーは皮肉な気分で笑う。
まさかアイドルのプロデュース活動を通じて密偵並の技術と知識が身に着くとは夢にも思わなかったし、何でこうなったのか今でもよく分からない。
ともかくそんな無駄な技術のおかげで、尾行がなかったのもはっきりしている。
(でも、だったらどうやって……まさか軍事衛星経由でってさすがにまゆでもそれは無理か……じゃあ本当に偶然? いやしかし、それはあまりにも……)
プロデューサーが一人悩んでいると、不意にまゆが、
「あの、プロデューサーさん」
と、傷ついた声で言った。
「まゆと一緒にいるの、そんなにお嫌なんですか……?」
「えっ、な、なに言ってるんだ、嫌なんてそんなことは」
「本当ですか、嬉しいっ!」
しまった、と思ったときにはもう遅い。まゆが喜色満面で腕に飛びついてきていた。
「お、おい!」
「あ、ごめんなさぁい」
明らかに申し訳ないと思っていない口調でまゆが言い、すっとプロデューサーから離れる。
こんな風に、ある程度配慮してくれるからまだマシではあるのだが。
(……まあ、あんまり嫌がってテンション落とすのもプロデューサーとしてはどうかと思うし……)
心の中で言い訳し、プロデューサーはとうとう観念することにした。
勝利を確信している故かにこにこと上機嫌そうに微笑んでいるまゆをじろりと見て、
「言うまでもないと思うが、ばれないように厳重に注意してくれな」
「もちろんですよぉ。まゆがプロデューサーさんのお仕事に迷惑かけたことなんてありますかぁ?」
「俺自身にももうちょっと配慮してほしいんだがなあ……」
聞こえるようにぼやいても、まゆはちっとも堪えた様子がない。むしろ素っ気ないプロデューサーさん素敵! とでも言いたげに、とろけそうなほど目を細めている。
「……あんまりロマンチックなところには連れてってやれないぞ」
「うふ。プロデューサーさんとご一緒でしたら、まゆはどこでもロマンティックナウですよぉ」
「はいはい……」
ため息混じりに歩き出すと、まゆも幸福そうな足取りでついてきた。
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