過去ログ - 佐久間まゆ「いつもあの子がそばにいる」
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aho
◆Ye3lmuJlrA
[sage]
2013/12/16(月) 21:52:35.15 ID:pFDECU7w0
◆
「え……じゃ、じゃあ、小梅さんのお友達は今プロデューサーさんのそばに……?」
「う、うん。まゆさんと、プロデューサーさんのキューピットになるって、は、張り切ってた」
休日ということで混み合っている喫茶店の中、小梅は何やら毒々しい色のジュースを美味しそうに啜りながら言った。
「プ、プロデューサーさんも、まゆさんも、優しくていい人だから……ふ、二人が仲良くなってくれたら、私も、幸せ……」
「そ、そうですか……」
歌鈴は何とも言えない気持ちでそう答えつつ、隣に座る礼子に小声で問いかける。
「あの、礼子さん。なんだか物凄い方向に事態が進んでしまったような気がするんですが」
「そうねえ……あ、ちなみに小梅ちゃん」
礼子が興味深そうに問う。
「小梅ちゃんのお友達は、まゆちゃんにどうやってプロデューサーくんの居場所を伝えてるの?」
「け、携帯のメールで」
「え、幽霊なのにメールが使えるんですか?」
歌鈴が驚くと、小梅はこくんと頷いた。
「え、映画の真似したら、なんかできたって言ってた」
「なんかできたってそんな」
「霊界驚異のメカニズム……」
「凄いわねえ。まさに着信アリって感じだわ」
「あの、礼子さん」
歌鈴はまた声をひそめる。
「いいんでしょうか、これ」
「……まあ、命に危険が及ぶことはないでしょう」
「プロデューサーさんの職業的な生命がちょっと危なくなったような気がするんですが」
「大丈夫よ、プロデューサーくんだって大人なんだし、上手いこと片付けるスキルは身に着いてると思うわ」
「そうかなぁ……礼子さん、なんか面白がってません?」
「否定はしないけどね」
礼子はちょっと肩を竦め、
「逆に考えたらいいじゃない。小梅ちゃんのお友達のおかげで、いつでもまゆちゃんの動向が分かるってことでもあるんだし」
「うーん……いいのかなぁ」
悩む歌鈴は、ちらりとテーブル越しに小梅を見る。
こんなのメニューにあったかな、と疑問を覚えるほど毒々しい色のジュースを飲んでいる小梅は、この上なく嬉しそうだ。
きっとさっきの言葉も本心からのものだろうし、これが心底良いことだと思っているからこそ、特に隠そうともせず二人に教えてくれたのだろう。
それを考えると積極的に非難する気にもなれず、歌鈴は困ってしまう。頼みの礼子も大して心配していないようなので、尚更だ。
ちょっとの間悩んだ末に、結局、
(……まぁ、これも大人のスキルってことで……)
自分にそう言い聞かせて、とりあえずコーヒーの味を楽しむことにした。
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