過去ログ - 佐久間まゆ「いつもあの子がそばにいる」
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6:aho ◆Ye3lmuJlrA[sage]
2013/12/16(月) 21:37:24.67 ID:pFDECU7w0
「……という、とっても怖い出来事が……あら、お二人ともそんなにコーヒーが苦かったんですか?」
「いえね……」
「コーヒーのせいじゃなくて……」

 何かげんなりしたような顔の二人にまゆが首を傾げると、歌鈴が躊躇いがちに手を挙げた。

「あの、一応確認しておきたいんですけど、今のは幽霊が怖いっていう話だったんですよね? まゆさんが怖いっていう話じゃなくて」
「ええと、言っている意味がよく……?」
「まあ、それはともかくとして」

 小さく咳払いした礼子が、念を押すように訊いてくる。

「念のため聞いておきたいのだけれど、それは自分で録っていたのをうっかり忘れてたっていうのじゃないのよね?」
「嫌ですよぉ、礼子さんったら」

 まゆはくすくす笑って、

「本当にプロデューサーさんが愛してるなんて言って下さったのなら、まゆがここにこうしているわけがないじゃないですかぁ……」
「どこでどうしてるって言うんでしょう……?」
「知らないけどね」

 礼子は小さくため息を吐いた後、頬杖を突いた。

「それで、それが始まりってことは、もちろんその後も続いたのよね?」
「……はい、そうです」

 ほんの少しだけ盛り上がっていた気持ちが、また沈みこむ。
 礼子の言う通り、怪奇現象はその日だけに留まらず、その後も少しずつ形を変えて絶えることなく続いた。
 ある夜は、プロデューサー動画がいつの間にか増えていたり。
 ある夜は、プロデューサーぬいぐるみがいつの間にか増えていたり。
 ある夜は、プロデューサーの私物がいつの間にか増えていたり。

「あと、何故かプロデューサーさん写真の顔が川島さんにすげ替っていたりしました」
「どうしてでしょう……?」
「わからないわ……」

 礼子が首を振り、「そう言えば最近ボールペンやらスティックのりやら、なくなったって言ってたわねえ」とぼやくように呟く。


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