過去ログ - 佐久間まゆ「いつもあの子がそばにいる」
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7:aho ◆Ye3lmuJlrA[sage]
2013/12/16(月) 21:38:02.88 ID:pFDECU7w0
「ともかく、それですっかり怖くなっちゃったわけね」
「はい……だから、是非とも歌鈴ちゃんに対処をお願いしたくて」
「え……た、対処ってなんですか?」

 歌鈴がぎょっとしたように言う。
 まゆは必死の心境で身を乗り出し、

「インターネットに書いてあったのを見たの。歌鈴ちゃん、その筋では有名な霊能力者さんなのよね。確か、寺生まれのDさんって」
「いやそれ多分別の人だと思いますよ。大体私、神社生まれですし……」
「それでもいいの、なんとかお願いできない? 幽霊が近づけないように結界を張るとか、嫌がるようなお札を貼るとか、全身にお経を書いて幽霊から私が見えないようにするとか」
「最後のはかえって危ないような……いえ、そりゃ一応儀式的なことは出来ますけど、やめたほうが……私のお祓いってなんかバイクになったりスロットになったりで大概ロクなことにならないので」
「……えっと、ごめんなさい、よく意味が……?」
「私にも意味は分からないんですけどね……」

 二人で首を傾げたとき、まゆはふと、礼子が会話に加わらず何かをじっと考えているのに気づいた。
 礼子は少し間を置いてから不意に顔を向けてきて、

「つまり、こういうことよね?」

 と、試すような微笑を浮かべる。

「次に幽霊が悪さしたら、『破ァ!』とか何とかやって、消し飛ばすなり成仏させるなりしてほしい、と」
「え……」
「ちょ、ちょっと待って下さい!」

 まゆが驚くのと同時に、歌鈴が慌てて手を振る。

「む、無理ですよわたし、そんなことできません!」
「あら、きっと大丈夫よ神社の娘なんだし。こう、『サイキックゴーストバスター!』みたいな感じで一発除霊、ね?」
「それ他の人のネタな上に成功の見込みゼロじゃないですか!」
「あら、結構辛辣ね歌鈴ちゃん」

 何故か感心したような様子の礼子とあわあわしている歌鈴のそばで、まゆは一人焦る。
 決して、そういう風にしてほしいわけではないのだ。


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