2: ◆EOh40d18dA[saga]
2013/12/17(火) 22:48:32.40 ID:spUPscGh0
希望ヶ峰学園に足を踏み入れた瞬間、唐突な目眩がボクを襲う。
とても立ってはいられない程に視界が揺らいで、意識が段々と霞んでいく。
そして気付いた時には、ボクは不気味な教室の中で眠っていた。
「ここ、は……」
依然として安定しない景色に吐き気を感じながらも、ボクは重い身体を起こす。
希望ヶ峰学園の玄関に足を踏み入れた所までは覚えている。だけど、そこから先が全然だ。
ここが何処なのか、どの位時間が経ったのか、自分の身に何が起きたのかすら記憶に無い。
「よかったぁ、やっと起きてくれた」
思考に耽っていると、唐突にそんな声が聞こえてきた。ボクはその声の主を探して、寝ぼけ眼で辺りを見回す。
窓に打ち付けられた鉄板や監視カメラが一瞬目に入ってきたが、それらを疑問に思う前に、ボクは彼女の姿を捉えた。
「気分悪そうにしてたけど……平気?」
一目見た瞬間に、ボクの視線は茶色の髪の少女に釘付けになる。
その可愛らしい目に、柔らかそうな唇に、小動物を思わせる仕草に視線を根こそぎ奪われる。
「……?」
余りにもじっと眺め過ぎたのだろう、ボクの視線を不思議に思ったのか、彼女は首を傾げた。
その仕草にすら心を奪われそうになり、ボクは慌てて視線を下へ向ける。しかし今度は、彼女の服装に視線が釘付けになってしまう。
露出の一切無い清潔感のある深緑色の服装と、パラソルみたいに広がった焦茶色のパンプキンスカート。
決して派手では無いけれど、彼女の魅力を引き出すようなその服装が、仕草の愛らしさに拍車をかけていた。
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