29: ◆EOh40d18dA[saga]
2013/12/22(日) 16:59:55.34 ID:yNo1YwBw0
朝食後、ボク達は探索を開始した。
最も探索とは言っても、出口や学園のヒントは昨日の時点で調べ尽くしてある。
だから実質この時間は皆が皆好きな事をしているのだ。
「……不二咲さんに謝らないとな」
食堂から出たボクは、真っ先に不二咲さんを探し始めた。
取り合えず手始めにボクは、食堂から一番近いランドリーの扉を開ける。
「あっ……」
どうやら、あちこち探し回る必要は無くなったようだ。
「不二咲さん……」
後ろ手でランドリーの扉を閉め、ボクは不二咲さんを見る。
申し訳無さそうな、少し怯えているような目をしていた。
そうさせてしまったのが自分だと思うと、こっちが申し訳無くなってくる。
「その、さっきはごめん!」
ボクは迷わず頭を下げた。
「ぼ、僕の方こそごめんなさい……」
不二咲さんも、ボクに謝る。
「不二咲さんが謝る事じゃないよ、ボクが変な態度取っちゃったから……」
「苗木君は悪くないよ、ジロジロ見ちゃった僕が悪いんだし……」
「いやいや、ボクが目を逸らしたから不二咲さんに嫌な思いを……」
「でも、やっぱり僕の所為だよ……」
お互い、一歩も譲らずに謝罪を述べる。
「……ぷっ」
「……えへっ」
それが、何だか可笑しかった。
「い、何時まで謝ってるんだろうねボク達っ。あは、あははっ!」
「えへへ、可笑しいねぇ」
二人して快活に、止まらない笑いを続けた。
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