269: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 03:57:22.16 ID:OiVLwmIL0
勇者「とりあえず布団持ってくるよ」
魔法使い「今日はなんだかやたらと気が利きますね、どうしたんですか」
勇者「実家だからだよ。客がいるなら何かしらしていないと爺ちゃんにどやされる」
270: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 03:58:12.28 ID:OiVLwmIL0
……
勇者「持ってきたぞ、ちょっとどいてて……あれ、いねぇ」
勇者「まだお茶淹れてないのか?でも台所には居なかったし……」
271: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 03:58:40.14 ID:OiVLwmIL0
勇者「よっこらせっと……なんで上ろうと思った」
魔法使い「説明されたので前フリかと思ったのですが……迷惑でしたか?」
勇者「別に、なんとも思ってはいねぇ」
272: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 03:59:07.93 ID:OiVLwmIL0
勇者「どうだ?ウチを見た感想は」
魔法使い「王都ですからどこもかしこも煌びやかな町並みだと思っていたのですが」
魔法使い「このような下層になると……言い方が悪いですが、あまり治安が良くなさそうですね」
273: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 03:59:48.64 ID:OiVLwmIL0
勇者「極めつけに勇者選抜だ何て下らない事し始める。戦争においてそれを率いる国の象徴が必要なのは分かるが、もっと先にすべきことがあるだろうに」
魔法使い「この国の王はその問題をも軽微なものと考えているのでしょうか」
勇者「悪手を打つような人ではない……と、思う。隠し事をしない人だから国民からの信用は厚いし」
274: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:00:43.33 ID:OiVLwmIL0
勇者「ところで、まぁ腹を割って聞くけどさ」
勇者「お前が選抜に参加した理由ってなんだ?今まで気にも留めなかったが」
魔法使い「気にも留めないレベルならば聞く必要はありませんよ」
275: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:01:36.46 ID:OiVLwmIL0
勇者「わかったよ、話してやる。知っている限りの親父の昔話から入るから少し長くなるぞ?」
魔法使い「構いませんよ、お願いします」
勇者「……俺の父親な、昔この国で勇者を名乗っていたんだ」
276: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:02:13.13 ID:OiVLwmIL0
勇者「それで国王は困惑、それを知った国のお偉いさん達はカンカン」
勇者「一時的に、親父は勇者の名を剥奪されて国外追放を受けたそうだ」
勇者「それでもずっと"偽りの勇者"を名乗ってたみたいだけどな」
277: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:02:43.97 ID:OiVLwmIL0
勇者「それから時間は経ち、国どうしの話し合いの場が設けられることになったんだ」
勇者「親父と魔王が必死に国王に掛け合った末のことだった」
魔法使い「国王が話の分かる人だったんですね」
278: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:03:12.48 ID:OiVLwmIL0
勇者「お互いの国のわだかまりを無くし、勇者の名を取り戻し、これから共に発展して行くと誓ったんだとさ」
勇者「その後、親父は隣国の王……魔王と結婚し、一人の子供を儲けた」
279: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:03:39.18 ID:OiVLwmIL0
魔法使い「当人達は、きっと幸せだったんでしょうね。苦楽を共にしてきたのですから」
勇者「……だがそれは、偽者の幸せでしかなかった」
魔法使い「?」
492Res/206.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。