274: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:00:43.33 ID:OiVLwmIL0
勇者「ところで、まぁ腹を割って聞くけどさ」
勇者「お前が選抜に参加した理由ってなんだ?今まで気にも留めなかったが」
魔法使い「気にも留めないレベルならば聞く必要はありませんよ」
275: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:01:36.46 ID:OiVLwmIL0
勇者「わかったよ、話してやる。知っている限りの親父の昔話から入るから少し長くなるぞ?」
魔法使い「構いませんよ、お願いします」
勇者「……俺の父親な、昔この国で勇者を名乗っていたんだ」
276: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:02:13.13 ID:OiVLwmIL0
勇者「それで国王は困惑、それを知った国のお偉いさん達はカンカン」
勇者「一時的に、親父は勇者の名を剥奪されて国外追放を受けたそうだ」
勇者「それでもずっと"偽りの勇者"を名乗ってたみたいだけどな」
277: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:02:43.97 ID:OiVLwmIL0
勇者「それから時間は経ち、国どうしの話し合いの場が設けられることになったんだ」
勇者「親父と魔王が必死に国王に掛け合った末のことだった」
魔法使い「国王が話の分かる人だったんですね」
278: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:03:12.48 ID:OiVLwmIL0
勇者「お互いの国のわだかまりを無くし、勇者の名を取り戻し、これから共に発展して行くと誓ったんだとさ」
勇者「その後、親父は隣国の王……魔王と結婚し、一人の子供を儲けた」
279: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:03:39.18 ID:OiVLwmIL0
魔法使い「当人達は、きっと幸せだったんでしょうね。苦楽を共にしてきたのですから」
勇者「……だがそれは、偽者の幸せでしかなかった」
魔法使い「?」
280: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:04:07.29 ID:OiVLwmIL0
勇者「親父がその地位欲しさに目がくらみ、魔王を殺害することで国を掌握した。自らが魔王と名乗り始めたのもそのあたりか」
勇者「類稀なるそのカリスマで問題なく国を統治し、そしてあろう事かこの国との和平を白紙に戻した」
勇者「すべてを手に入れようとした……これは強欲になった親父が招いたことだ」
281: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:04:58.33 ID:OiVLwmIL0
勇者「母さんが邪魔だっていうなら俺の存在も邪魔なはずだ」
勇者「俺が必要ないのなら、親父は自分が育ったこの場所にわざわざ俺を預けたりなんてしないだろう」
魔法使い「本当に邪魔なら、消すと?」
282: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:05:34.27 ID:OiVLwmIL0
勇者「だから、実際はどうでアレ、俺は今の魔王……親父に直接会って」
勇者「すべての真実を聞きたい、母さんの死も国とのいざこざのことも。その後で育児放棄した親父をこの手でぶん殴りたい」
勇者「そうなるためには、俺が国の勇者になって直接魔王と会える機会を作るしかなかったんだ」
283: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:06:12.71 ID:OiVLwmIL0
勇者「前に友達がいないって言った理由も親父絡みだ」
魔法使い「そんな噂が蔓延するくらいですからね」
勇者「ああ、かなり風当たりが強かった。今は昔ほどじゃねーけど、やっぱりそういう目で見られる時もある」
284: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:06:40.02 ID:OiVLwmIL0
勇者「……ありがとな」
魔法使い「気持ち悪いですね、突然なんですか」
勇者「人と接することなんてしなかった俺が、お前とヴェイドと一緒に生活していくうちに変わることが出来た」
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