過去ログ - 勇者「未来の勇者を目指して」
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277: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:02:43.97 ID:OiVLwmIL0
勇者「それから時間は経ち、国どうしの話し合いの場が設けられることになったんだ」

勇者「親父と魔王が必死に国王に掛け合った末のことだった」

魔法使い「国王が話の分かる人だったんですね」
以下略



278: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:03:12.48 ID:OiVLwmIL0

勇者「お互いの国のわだかまりを無くし、勇者の名を取り戻し、これから共に発展して行くと誓ったんだとさ」

勇者「その後、親父は隣国の王……魔王と結婚し、一人の子供を儲けた」

以下略



279: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:03:39.18 ID:OiVLwmIL0
魔法使い「当人達は、きっと幸せだったんでしょうね。苦楽を共にしてきたのですから」

勇者「……だがそれは、偽者の幸せでしかなかった」

魔法使い「?」
以下略



280: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:04:07.29 ID:OiVLwmIL0
勇者「親父がその地位欲しさに目がくらみ、魔王を殺害することで国を掌握した。自らが魔王と名乗り始めたのもそのあたりか」

勇者「類稀なるそのカリスマで問題なく国を統治し、そしてあろう事かこの国との和平を白紙に戻した」

勇者「すべてを手に入れようとした……これは強欲になった親父が招いたことだ」
以下略



281: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:04:58.33 ID:OiVLwmIL0
勇者「母さんが邪魔だっていうなら俺の存在も邪魔なはずだ」

勇者「俺が必要ないのなら、親父は自分が育ったこの場所にわざわざ俺を預けたりなんてしないだろう」

魔法使い「本当に邪魔なら、消すと?」
以下略



282: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:05:34.27 ID:OiVLwmIL0
勇者「だから、実際はどうでアレ、俺は今の魔王……親父に直接会って」

勇者「すべての真実を聞きたい、母さんの死も国とのいざこざのことも。その後で育児放棄した親父をこの手でぶん殴りたい」

勇者「そうなるためには、俺が国の勇者になって直接魔王と会える機会を作るしかなかったんだ」
以下略



283: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:06:12.71 ID:OiVLwmIL0
勇者「前に友達がいないって言った理由も親父絡みだ」

魔法使い「そんな噂が蔓延するくらいですからね」

勇者「ああ、かなり風当たりが強かった。今は昔ほどじゃねーけど、やっぱりそういう目で見られる時もある」
以下略



284: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:06:40.02 ID:OiVLwmIL0
勇者「……ありがとな」

魔法使い「気持ち悪いですね、突然なんですか」

勇者「人と接することなんてしなかった俺が、お前とヴェイドと一緒に生活していくうちに変わることが出来た」
以下略



285: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:07:45.33 ID:OiVLwmIL0
魔法使い「あなたの決心、確かに聞かせていただきました。私の方もあなたに全てを話しましょう」

勇者「お前、一体……ッ!」

魔法使い「申し遅れました、私は魔王軍第一部隊隊長・魔王補佐官、名をセピアメイズと申します」パサッ
以下略



286: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:08:14.75 ID:OiVLwmIL0
勇者「お前、嘘言うときと何か思うことがあるときに、喋りだす前に妙に溜めて話す癖があるから……」

魔法使い「よく見ているんですね、惚れているんですか?」

勇者「はぐらかすな、続けろ」
以下略



287: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:08:48.42 ID:OiVLwmIL0
魔法使い「あなたが勇者の資格を持ったということで酷く心配しておられました」

魔法使い「勇者は体よく戦争に参加させられるだけの存在になりうる可能性、その可能性を排除するために私はあなたと接触したのです」

勇者「……でもそれはおかしいぞ、お前は俺の手助けをしていた。それじゃあ俺は国の代表になっちまうんじゃないのか?」
以下略



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