282: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:05:34.27 ID:OiVLwmIL0
勇者「だから、実際はどうでアレ、俺は今の魔王……親父に直接会って」
勇者「すべての真実を聞きたい、母さんの死も国とのいざこざのことも。その後で育児放棄した親父をこの手でぶん殴りたい」
勇者「そうなるためには、俺が国の勇者になって直接魔王と会える機会を作るしかなかったんだ」
283: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:06:12.71 ID:OiVLwmIL0
勇者「前に友達がいないって言った理由も親父絡みだ」
魔法使い「そんな噂が蔓延するくらいですからね」
勇者「ああ、かなり風当たりが強かった。今は昔ほどじゃねーけど、やっぱりそういう目で見られる時もある」
284: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:06:40.02 ID:OiVLwmIL0
勇者「……ありがとな」
魔法使い「気持ち悪いですね、突然なんですか」
勇者「人と接することなんてしなかった俺が、お前とヴェイドと一緒に生活していくうちに変わることが出来た」
285: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:07:45.33 ID:OiVLwmIL0
魔法使い「あなたの決心、確かに聞かせていただきました。私の方もあなたに全てを話しましょう」
勇者「お前、一体……ッ!」
魔法使い「申し遅れました、私は魔王軍第一部隊隊長・魔王補佐官、名をセピアメイズと申します」パサッ
286: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:08:14.75 ID:OiVLwmIL0
勇者「お前、嘘言うときと何か思うことがあるときに、喋りだす前に妙に溜めて話す癖があるから……」
魔法使い「よく見ているんですね、惚れているんですか?」
勇者「はぐらかすな、続けろ」
287: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:08:48.42 ID:OiVLwmIL0
魔法使い「あなたが勇者の資格を持ったということで酷く心配しておられました」
魔法使い「勇者は体よく戦争に参加させられるだけの存在になりうる可能性、その可能性を排除するために私はあなたと接触したのです」
勇者「……でもそれはおかしいぞ、お前は俺の手助けをしていた。それじゃあ俺は国の代表になっちまうんじゃないのか?」
288: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:09:24.43 ID:OiVLwmIL0
魔法使い「前にも話しましたよね。それなりの成績を収めればいい職にありつける、と」
魔法使い「私はそれを狙ってあなたの世話を焼いていたようなものですから」
勇者「くっだらねぇ……俺はずっとそんなくだらねぇ茶番に付き合ってたのかよ……」
289: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:10:01.06 ID:OiVLwmIL0
魔法使い「ぶっちゃけると、私は初めあなたの事が本気で嫌いでした」
勇者「うん、知ってる」
魔法使い「私の愛した人たちの子供……それがこんな捻くれた奴だと思いたくもなかったので」
290: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:10:26.35 ID:OiVLwmIL0
魔法使い「ですが、あなたと過ごして一つだけわかったこと」
魔法使い「あなたの魔王様への真実の探求が本気だということです」
魔法使い「無表情だの仏頂面だのとよく言われますが、私にも情くらいあります」
291: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:11:08.59 ID:OiVLwmIL0
魔法使い「ですから、私の考えは隠さずに全部あなたに伝えました。全ての信用を得るために」
勇者「……前にも同じ事を教官に言っていたな」
魔法使い「はい、相手からの信用が欲しいときはいつもこうしています」
292: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2013/12/27(金) 04:12:09.57 ID:OiVLwmIL0
魔法使い「これから私の行うことは魔王様への裏切り行為となります」
魔法使い「私は……あなたをこの国の勇者にして見せましょう」
勇者「お前……何のために」
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