過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない
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17:黒猫
2013/12/18(水) 20:17:57.64 ID:zZX/D2Bw0
 雪ノ下は、こちらの返事を待たずに帰る準備を始めていた。




自転車をとって、校門まで行くと雪ノ下は既に待っていた。

ちらっと俺を確認すると、そのまま歩きだしてしまう。

 ですよねー。さすがに雪ノ下と二人で下校する姿をみんなに見せるわけにはいくまい。

ましてや、今は部活動の時間帯で、生徒も多い。もし一緒に帰っているところを見られたら、

明日何か噂になるかもしれない。今まで日陰でひっそりしていたが、ついに高校デビューしちゃう? 

 と、妄想に浸っていると、雪ノ下は校門を出てすぐそばで待っていた。

「なにをくずくず歩いているのかしら。ちゃんと道案内してほしいのだけど。」

「いやぁ、人も多いし、一緒に帰ってるのを見られると、お前が困っちゃうだろ?」

「何を言ってるのかしら。しっかり道案内してくれないと、あなたの家に行けないじゃない。

それに、他人にどう思われようが、私には関係ないわ。」

 ららぽでは、知り合いがいなければ問題ないと言っていたが、

これは大きな進歩だと言えるのではないだろうか。自然と足取りも軽くなった気がした。




 家に着くと、雪ノ下をリビングに案内し、待っててもらうことにした。

「その辺の本棚でも観ていてくれよ。

なんかしら興味がありそうなものがあったら、借りていってもいいぞ。」

 雪ノ下は、返事の代わりに本棚を物色し始めた。

 人んちの本棚って面白いよな。なんか今まで知らなかった人の趣味とかわかったりするし。

いやいやぼっちだし、人んの本棚など、見る機会なんてないのでした。妄想乙。

 ぬいぐるみをもってリビングに戻ってくると、雪ノ下は一冊の本を持っていた。

「この本、読んでたのね。」

 この本とは、ららぽで雪ノ下が熱く語っていたパンさんの原書だ。

わりと大きめな本屋で見つかると思って探してはみたもののみつからなかった。

結局はアマゾンで買ったのだが、ほんとネットって便利だよな。本屋で注文て、なんの苦行だよ。

小難しい本を注文するのであっても、お前頭いい振りしてんじゃないかと思われてないか勘ぐってしまう。

ましてや、ライトノベルだと、タイトルを言うのでさえ赤くなってしまうぞ! 

作家さん、ちょっと考えてください。

「まあな。なにも知りもしないで語るのもへんだしな。一応な。」

 照れ隠しもあってか、ちょっとぶっきらぼうにぬいぐるみを渡した。

「ありがとう。」

 ちょっと照れくさそうに顔をぬいぐるみにうずめる姿、ちょーかわいいじゃないか。

さんざんぼっちレベルを上げてきた自分であっても、勘違いしてしまいそうだ。



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