31:黒猫
2013/12/19(木) 09:57:33.52 ID:+XzxjG8T0
<部室>
八幡「うす。」
いつもと変わらないように挨拶をする。
いつもほとんどしゃべらないんだけどね。
雪乃「あら。疲れ果てたサラリーマンがやってきたのかと思ったわ。
比企谷君、こんにちは。」
八幡「最初から俺だってわかってるんじゃねーか。
それに俺は主夫志望だから、リーマンにはならねーぞ。」
雪乃「それは違うわ。
正確にいうのならば、腐った目をしていて、
会社の評判を落とすような人を誰も雇わないから、
あなたはサラリーマンになれないのではないかしら。」
八幡「もう完全に最初から俺だってわかってるって自白してるでしょ。それって。」
雪ノ下は俺との会話に飽きたのか、本に目を戻そうとした。
だが、俺がさりげなく雪ノ下が気がつくようにもった紙袋に目がとまる。
ぬいぐるみを入れるにはやや小さい紙袋からは、パンさんの顔が出ている。
ちょっと考えれば、いかにもわざとらしい行動だ。
人をだますのではあれば、わざとらしすぎるが、人をおちょくるには、
わざとらしすぎるほうが効果てきめんだ。
思惑通り雪ノ下は、俺の誘いにのってきてくれたようだ。
最初こそちらみを装っていたが、好奇心がかったのかガン見している。
どんだけパンさん好きなんだよ。
雪ノ下のコレクターレベルって、アキバのコレクターと互角なんじゃないの?
雪乃「比企谷君。その紙袋に入っているパンさんって、
今クレーンゲームでとれる3種類のパンさんのうちの一つかしら?」
八幡「お前は何でも知ってるな。」
雪乃「この前も言ったけど、プライズ商品も一応調べて入るのよ。」
やはり「なんでもは知らないわよ。知ってることだけ。」とはかえしてはくれないんだな。
たしかに、頭脳の優秀さも、外見の美しさも、かの猫娘と引けはとらないだろう。
まあ、視線を顔から下におろすと、大敗北しちゃうけど。
なにあの胸。
あの胸に包まれたい!
もうあの人、理想のなかの理想の彼女でしょ。
雪ノ下陽乃が偽物の理想の彼女ならば、あちらは本物の理想の彼女だといえよう。
これ以上偽物について語っちゃうと、人気作家になっちゃうかも。
そして、アニメ化になって、映画化か。
いやいや、映画化はまだだった。
時系列的にもうテレビだけでいいんじゃない?
ちょっとトリップして、現実の残念でつつましくひっそりとした胸を見つめていると、
雪ノ下は怪訝な目を向けてきた。
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