39:黒猫
2013/12/19(木) 10:04:50.50 ID:+XzxjG8T0
<雪乃マンションの部屋>
部屋に着くと雪ノ下は、紅茶の準備を始めた。
とても速く動いているようにみえるが、無駄がない分早く感じるのだろう。
ひとつひとつの作業がしっかりしている。
自分で紅茶を入れてみているものの、雪ノ下のような味を出すことはできない。
高校卒業後、雪ノ下の紅茶が飲めなくなってしまったら、
紅茶を飲むことはなくなってしまうのだろうか。
最高の味を知ってしまっては、並みのものは受付ない。
芸能人が売れなくなっても生活水準をなかなか下げられないのと同じなんだろう。
ふと、なにをしていればいいかわからす、室内を見回していると、
今日あげたパンさんが既に飾ってあるじゃないか。
目で見えない速度で動けるんじゃないかと、本気で思ってしまいそうだ。
しかし、足元に置かれた荷物をみると、
俺が雪ノ下にあげた3種類のパンさんがあるじゃないか。
雪ノ下のほうに視線を向けると、
俺は鳩が豆鉄砲をくらったようなバカな顔をしているのだろうか。
雪ノ下は、子供が親にかわいいいたずらをしたときのような満面の笑みを浮かべていた。
ゲームセンターに貯金したこづかいも、ここ数日ゲームセンターに費やした時間も、
雪ノ下をからかおうとした作戦があらぬ方向にいってしまったことも、
この笑顔が代価だったのしたのならば、十分におつりが出てしまうはずだ。
自然と自分も笑みをうかべてしまっていた。
雪乃「比企谷君。子供が見たら泣き出してしまう笑顔はやめなさい。
子供にトラウマを植え付けたいの?」
八幡「おい。俺にトラウマを植え付けるのやめてくれない?」
雪乃「そう? だったら、私だけにその笑顔を見せてくれればいいわ。」
俺はどうのよう返事をすればいいか思いつかなかった。
いや。言いたい言葉があっても、、言葉に出すことができなかったのではないだろうか。
ただ、言葉に出さなくとも、この雪ノ下雪乃ならば、わかってしまうのだろう。
雪ノ下が紅茶を準備している姿を俺はどんな顔でみているのだろうか。
雪ノ下雪乃は時折俺のことを見ながら、やさしい笑顔で紅茶を入れていた。
やはり雪ノ下雪乃にはかなわない。
完
最後の文章訂正です。
HTML化依頼この後出します。ご指導ありがとうございます!
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