9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/19(木) 00:31:05.22 ID:9mtCTMIXo
高校の時の俺なら、すぐさま里志の言葉を否定していただろう。しかし、今は否定しない。それは俺自身も多少なりともそう思っているからだろう。
俺が黙っていると、里志はやれやれとばかりに肩を竦めてみせた。
「間違いなく薔薇色だね。いやあ、まさかホータローが千反田さんと付き合い始めるだなんて。今でもにわかに信じがたいよ」
そう。俺は今、千反田と交際している。
以前、そのことを「あいつ」と一緒に里志と伊原に告げた。その時の二人の叫び声は今でも耳に残っている。まあ、驚くのも仕方がない。俺自身、未だに不思議なくらいだ。ふわふわと浮いたような心地で、未だに実感が湧かない時が多々ある。
「それがどうしたのさ。今の自分に自信が持てないのかい?」
里志はいたずらな目で俺の顔を見た。自信がないというわけではない。だがしかし……。
俺は高校、大学と経て社会人になった。その過程で、自分が劇的に変わったとは思えない。「省エネ」も完全に手放したとは思えない。今でも、「めんどうだな」と思うことはよくある。しかし、里志の目には変わったように映るらしい。自分のことは、案外難しい。
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