過去ログ - 石丸「そして僕はまた間違える」桑田「アフター!」
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◆Nv7JqrEoRxto
[saga]
2014/03/25(火) 01:54:14.38 ID:Mu3/O06L0
スルリと髪に指が通された。
節くれ荒れた指は持ち主の心を表すように優しく髪をすくう。
やがて一房がその手のひらの中に収められ、ナイフが当てられた。
そしていともたやすく、髪はぷつりと断ち切られた
大神「一房、切れたが。どうするか?」
舞園「……ください」
大神「少し待て」ガサゴソ
大神「舞園よ、手を出せ」
舞園「…ありがとうございます」
大神「和紙で包んだ」
舞園「……」
大神「…続きは」
舞園「……お願いします」
束の根元を紐で縛られたそれは揺らすとさらさらと音をたてた。
長年手入れを欠かさなかった甲斐か、触り心地は良かった。
この髪はきっと、いろんなことを経験して来たんだろう。
恋も、失恋も、幸も不幸も、希望も、そして絶望も。
でもそれは私の中には無い。
引きずるべきでは無いと思った。
変わるべきだとも思った。
だから、切った。
今まで人生を共にしてきた、宝物ともいえる髪を切った。
ぱさりぱさりと静かに足元に髪が落ちて行く。
その音が右から左へ移動しきったころ、音が止まった。
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