過去ログ - 翔太郎「魔戒騎士?」フィリップ「ゾクゾクするねぇ」
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256: ◆NrFF2h.q26[saga]
2014/01/10(金) 00:28:10.32 ID:L41XiSL/O

ピィンッ

サイクロン『!足に何か感触が……』

ドゴォォオオ!

鋼牙「地面に網が張り巡らされていたのか!罠だ、避けろ!」

ザルバ『あれじゃ間に合わないぜ!』

サイクロン『それはどうかな!』

ヒュゥゥウウウッ

ホラー8『!?』

サイクロン『よっと……。ふぅ、我ながら風の操作は便利な能力だね』

鋼牙「……なんて跳躍力だ」

ザルバ『風を操って網を跳ね返し、さらに風圧を利用したひとっ飛びで罠の射程から逃げたのか』

サイクロン『いちいち相手をしてる暇はない。じゃあね』

ザルバ『まったく可愛げのないヤツだぜ』

ーーーーーーーーーー
ーーーーー
ーー


もしかして、俺は今、全身に鋭いナイフを刺されて、どくどくと血を流しながらベッドの上に寝ているんじゃないのか。
そう真剣に思ってしまうほど、ひたすら身体中のあらゆる所が痛かった。


いいや、身体の全てどころじゃない。
こうして考えている俺の頭の中にも、浮かんでくる考え事を追うように激しい痛みがやってくる。
呼吸は空気でなく痛みを吸っているようで、息を止めてしまいたいと本気で思った。
この痛みから逃れられるなら、そうしてもいいかもしれない。
そんな考えが一瞬過ったが、なんとか打ち消した。


俺が血に染まりし者のようだ、とフィリップが言っていたが、その言葉の意味までは教えてくれなかった。
ただその表情と身体中を苛んでくる痛みから、どうやら俺の命が危うい状況なのは分かった。
そして俺を治す方法が困難なコトも。


フィリップはどこかへ行ってしまった。
たぶん、俺のタメに困難な道を選んだのだろう。
いなくなる前にフィリップが何かを言いに来ていた。
意識が朦朧として内容までは頭に入って来なかったけど、大きな決意を秘めた声だった。
フィリップ、お前はやっぱり無茶な勝負に出る気なんだな。
普段は冷静な参謀役のクセに、俺が思うよりも大胆な賭けに出るコトがあるんだ。


帰ってきてからホントにアクティブになったモンだ。
でも心配だ。
大丈夫だろうか。
アイツはまた俺の所へ帰ってきてくれるのか?
いや、きっと大丈夫。
アイツを信じてやらないと、それが相棒だ。
ぐるぐる思考が回る度、性懲りも無く痛みが追ってくる。


そしていつしか考えるコトも出来ないくらいの激痛が俺を蝕んできた。
本能で分かる、これは俺の身体が腐っている痛みなんだと。
俺の身体のあらゆるところが、生きながらぐずぐすと腐っていってるんだ。
どんなにひどい拷問でもこんな痛みを味わうコトはないだろう。
筆舌に尽くし難い激痛を感じる一秒が、朦朧とする意識の中で何十倍もの長さに引き伸ばされる。
この世に存在するありとあらゆる痛みを、一気に流し込まれているようだ。



そんな気が狂いそうな激痛の最中、考えるコトも出来なかったハズの俺の思考に、ある考えが気泡のようにぷかりと浮かんできた。

ーー死にたい。

驚くほどにシンプルで、でも何よりも魅力的な言葉だった。




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