過去ログ - 清村くんと杉小路くんとアイドルと
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117: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/01/06(月) 23:12:43.95 ID:ERGhWL2jo
力仕事が本分の俺にとってデスクワークの経験なんてほとんどない。
そんな俺がこんな作業をするのだから、当然他の誰かがやるより遥かに時間がかかる。
結果、俺は昼飯も食わずに事務所に缶詰め状態となっていた。

さすがにそろそろ何か食いに行くか……。
以下略



118: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/01/06(月) 23:13:15.70 ID:ERGhWL2jo
目的のコンビニを見つけて入店した俺は、雑誌コーナーで立ち読みしている少女に目を奪われた。
透き通るような白い肌にパッチリとした大きな目。100人に聞いたら99人は美少女に分類するだろう。

前に複写装置で頭の中に『完全プロデューサーマニュアル』の内容を書き込まれたからか、
俺は一目見ただけでアイドルとして成功しそうな女を見分けることが出来るようになっていた。
以下略



119: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/01/06(月) 23:13:42.93 ID:ERGhWL2jo
そういうことで、普段の俺ならスカウトしていただろうがあいにく今は営業モードじゃない。
髪の色はそのままで服装も上着を脱いでワイシャツ一枚の状態。おまけに名刺もスーツの上着の内ポケットに入っているから今はない。
こんな状態でスカウトしても成功するはずがないので心惜しいが大人しく諦めるとする。

そのままプリンとシュークリームを買って、書類の山が待つ事務所へと帰った。
以下略



120: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/01/06(月) 23:14:11.31 ID:ERGhWL2jo
そうして再び気分転換に向かった俺は、信じられないものを目にした。
コンビニ前に設置されたベンチに気だるげに座るさっきの色白の少女。
なんでまだ居るんだ?まさかあれからずっとここに居たのか。

見た目は高校生くらいに見えるし、既に0時を回っていることを考えるとこの状況は明らかに普通じゃない。
以下略



121: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/01/06(月) 23:14:45.64 ID:ERGhWL2jo
「お前さっきからここで何してんだ?この辺は不良も多いし危険だぜ」
俺も散々学生時代に喧嘩してきたからわかる。この辺りの治安はとてもじゃないが良いとは言えない。

「不良ってお兄さんみたいな人?」

以下略



122: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/01/06(月) 23:15:11.74 ID:ERGhWL2jo
「あたし帰る場所ないもん。お金もないし」

「あっそう……一応忠告はしたぞ。じゃあな」
これは本格的に関わったら面倒なパターンだな。さっさと立ち去ろう。

以下略



123: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/01/06(月) 23:15:43.92 ID:ERGhWL2jo
「で、なんで帰る場所がないんだよ」
仕方ないからちょっとくらいは話を聞いてやることに決めた。

「ちょっと親と喧嘩しちゃってね……それで気まずいっていうか」

以下略



124: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/01/06(月) 23:16:18.74 ID:ERGhWL2jo
「あ、ちょっと待ってよ!お兄さんはこんないたいけな少女を見捨てるつもりなの?」

「うるせーよ!俺に助けて欲しけりゃ何かスイーツでもよこせ!」
俺の舌はさっきから甘味を欲している。こんな奴とはさっさと別れて、美味しいココアが飲みたかった。

以下略



125: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/01/06(月) 23:16:50.88 ID:ERGhWL2jo
それからしばらくの間、俺はこの少女の話を聞いていた。
どうやらこのままこのまま和菓子屋の看板娘に収まるのが嫌だったらしく、それに反発して喧嘩したらしい。

「なんでだよ、実家が和菓子屋とか最高じゃねーか」
俺が和菓子屋の息子だったら甘いものに囲まれて幸せだったかもしれない。
以下略



126: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/01/06(月) 23:17:31.51 ID:ERGhWL2jo
「じゃあさっさと帰っとけ。今頃親も心配してるだろ」

「わかってるよ。今はこうでもいずれは家を継ぐだろうなってのは思ってるし」
こういう奴は単純に帰れ、と言われて帰るタイプではなさそうだ。
そうじゃなきゃ地元が京都にあるのにわざわざ東京の方まで出てきたりはしないだろう。
以下略



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