過去ログ - 清村くんと杉小路くんとアイドルと
↓ 1- 覧 板 20
244: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/03/28(金) 23:56:34.32 ID:k7JktJtbo
翌日の昼下がり、俺はみんなのお土産を買うべく広島の街を歩き回っていた。
杉小路の知り合いの業界人との会合は既に終わっている。
結果から言うと、期待していた仕事は貰えなかった。
ただ、今居るアイドル達がもう少し実力をつけた時には何らかの形で起用させてほしいということだった。
245: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/03/28(金) 23:57:12.07 ID:k7JktJtbo
そして、お土産だけではなくもちろん俺の分のスイーツも既に確保してある。
地元で有名な老舗の最高級大福。見てるだけで涎が出そうになるくらい最高に美味そうな一品だ。
早速手を付けたいが、さすがに歩きながら口にするなんて真似はしたくない。
しっかりと味わって食べるために、どこか腰を落ち着けられる場所を探していた。
246: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/03/28(金) 23:57:40.80 ID:k7JktJtbo
何か言い争っているような声が聞こえた。
どうせくだらないことだろうと思いつつも気になって声のする方向に向かってみると、黒塗りの車が目に入る。
「ええい、離さんかい!」
いかにもカタギではなさそうな黒服の男達が、赤毛の少女を車に連れ込もうとしていた。
247: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/03/28(金) 23:58:20.95 ID:k7JktJtbo
「おい、テメーら何やってんだ」
「何だお前は!邪魔だからどけ!」
さすがにヤクザ相手は迫力があるが、はいそうですかと引くわけにはいかない。
248: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/03/28(金) 23:58:49.51 ID:k7JktJtbo
「逃げるぞ!」
「な、なんじゃお前は!」
「いいから早くしろ!」
249: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/03/28(金) 23:59:21.37 ID:k7JktJtbo
「すまんな……あれはうちの組のもんじゃ」
「はぁ!?」
一息ついた俺は、赤毛の少女に事の顛末を聞かされていた。
さっきの黒スーツの男たちは村上組という暴力団の一員で、この少女はそこの頭の一人娘。
250: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/03/28(金) 23:59:59.43 ID:k7JktJtbo
とりあえずここから離れようと路地裏を出ようとした瞬間、大量の黒スーツの男たちが姿を表した。
当然のことながらみんなこちらに銃口を向けている。
「頼む、なんとか説明してやってくれ」
251: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/03/29(土) 00:00:28.74 ID:pKZb/rcWo
俺達は、この黒ずくめの男たちのアジトへと連れて来られていた。
後ろ手に手錠がかけられており、抵抗は出来ない。
なんでこんなことになっちまったのか……やっぱり杉小路が関わることだとロクなことがないな。
「大人しくしてりゃ何もしねーよ。ただアンタらの頭がちょっと言うことを聞いてくれりゃいい」
252: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/03/29(土) 00:01:08.92 ID:pKZb/rcWo
「……すまん、うちのせいで巻き込んでしもーて」
「気にすんな。俺が勝手にやったことだ」
本当はいい迷惑だと思いたいところだが、気に病んでいる相手に向かってそんなことは言えん。
それに、俺が関わらなければ護衛はこの少女に付きっきりで、誘拐されることなんてなかっただろう。
253: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/03/29(土) 00:01:59.54 ID:pKZb/rcWo
「っておい!何勝手に俺のカバン漁ってんだコラ!」
気が付くと、構成員のひとりが俺が持っていたカバンをガサゴソと漁っていた。
「こいつのカバンの中こんなもんしか入ってませんでした」
さっき買ったお土産一式と、食べようと思っていた最高級大福が床に放り出される。
560Res/232.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。