過去ログ - 清村くんと杉小路くんとアイドルと
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302: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:06:17.56 ID:yviOxOePo
あの日から俺が仕事を終えて自宅へ帰ると5人のアイドルが出迎えてくれるようになった。
この部屋中に貼られたポスターを蓮間辺りに見られたら、こんなのお前のキャラじゃないと腹を抱えて笑われそうだ。
ストラップに関してはあんなにたくさん付ける訳にもいかないから日替わりで付け替えるようにしている。
「で、グッズは売れてんのか?」
303: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:06:43.63 ID:yviOxOePo
「こっちの仕事は終わったぜ。あとは何かやることあるか?」
ちょくちょく雑談を挟みつつも、3人で分担していた作業を俺は一足先に終えることができた。
「特に無いですね」
304: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:07:09.78 ID:yviOxOePo
その場所は、昔よく来ていたラーメン屋だった。
今はもうほとんど来ることがなくなっていたが、高校の時は部活帰りによく寄ったもんだ。
店に入る前に周囲を見渡してみるが、俺が探している人物はそこに居なかった。
もう中に居るのか、それともまだ来ていないだけなのか、メールで確認することにする。
305: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:07:38.96 ID:yviOxOePo
「清村先輩……実は俺……」
「まあ待て、話なら中で聞いてやるよ」
正直俺は結構腹が減っていた。
こうやって飲食店を待ち合わせ場所にしているんだから、わざわざ立ち話なんてする必要がない。
306: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:08:25.35 ID:yviOxOePo
「はい、実は女性関係のことで相談が……」
「ブゥ――――――――ッ」
その発言のあまりの衝撃に、俺は飲んでいた水を思いっきり吹き出した。
向い合って座っている状態だったため、安井は俺が吹き出した水をモロに喰らってしまっている。
307: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:08:53.51 ID:yviOxOePo
「はい。最近気になる人が出来て、お金も結構使ってるんですけどなかなか振り向いてもらえなくて……」
要するに片想いってわけか。それだったらこの話もまあ納得できる。
ただその話だけ聞かされると脈なしどころか完全に貢がされてるだけにも思えるが。
「なるほどな。でもなんで俺なんだよ。そういう話だったら蓮間のが適任じゃねーのか」
308: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:09:21.89 ID:yviOxOePo
「蓮間先輩にも連絡したんですけど、どうしても外せない用事があるらしくて」
「だから俺なのか……」
俺以外だと杉小路か工藤しか残らないと考えると、まあ妥当な判断か。
あいつらには相談したくないというか、相談するだけ無駄だろうしな。
309: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:09:47.42 ID:yviOxOePo
「実はもうお金もほとんどないんです……。俺、どうすればいいんですかね……」
「諦めろ」
「そんな!?」
310: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:10:13.60 ID:yviOxOePo
「金が必要なら貸してやるから、さっさとケリ付けてこい」
「清村先輩……」
安井は黙ったまま、しばらく言葉を発さなかった。
もはやアドバイスでもなんでもない当たって砕けろの精神だが、この手のことで俺に何かを期待されても困る。
311: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:10:45.76 ID:yviOxOePo
それから数日、未だに安井からの連絡はない。
成功ならすぐにでも連絡するだろうし、失敗して落ち込んでいるのかそれともまだ会っていないのか。
気になってしょうがないというほどではないが、やっぱり少しは気になるよな。
「清村さんだいじょぶ?なんかぼーっとしてるけど」
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