過去ログ - 清村くんと杉小路くんとアイドルと
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305: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:07:38.96 ID:yviOxOePo
「清村先輩……実は俺……」
「まあ待て、話なら中で聞いてやるよ」
正直俺は結構腹が減っていた。
こうやって飲食店を待ち合わせ場所にしているんだから、わざわざ立ち話なんてする必要がない。
306: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:08:25.35 ID:yviOxOePo
「はい、実は女性関係のことで相談が……」
「ブゥ――――――――ッ」
その発言のあまりの衝撃に、俺は飲んでいた水を思いっきり吹き出した。
向い合って座っている状態だったため、安井は俺が吹き出した水をモロに喰らってしまっている。
307: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:08:53.51 ID:yviOxOePo
「はい。最近気になる人が出来て、お金も結構使ってるんですけどなかなか振り向いてもらえなくて……」
要するに片想いってわけか。それだったらこの話もまあ納得できる。
ただその話だけ聞かされると脈なしどころか完全に貢がされてるだけにも思えるが。
「なるほどな。でもなんで俺なんだよ。そういう話だったら蓮間のが適任じゃねーのか」
308: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:09:21.89 ID:yviOxOePo
「蓮間先輩にも連絡したんですけど、どうしても外せない用事があるらしくて」
「だから俺なのか……」
俺以外だと杉小路か工藤しか残らないと考えると、まあ妥当な判断か。
あいつらには相談したくないというか、相談するだけ無駄だろうしな。
309: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:09:47.42 ID:yviOxOePo
「実はもうお金もほとんどないんです……。俺、どうすればいいんですかね……」
「諦めろ」
「そんな!?」
310: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:10:13.60 ID:yviOxOePo
「金が必要なら貸してやるから、さっさとケリ付けてこい」
「清村先輩……」
安井は黙ったまま、しばらく言葉を発さなかった。
もはやアドバイスでもなんでもない当たって砕けろの精神だが、この手のことで俺に何かを期待されても困る。
311: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:10:45.76 ID:yviOxOePo
それから数日、未だに安井からの連絡はない。
成功ならすぐにでも連絡するだろうし、失敗して落ち込んでいるのかそれともまだ会っていないのか。
気になってしょうがないというほどではないが、やっぱり少しは気になるよな。
「清村さんだいじょぶ?なんかぼーっとしてるけど」
312: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:11:12.09 ID:yviOxOePo
「そういうことならシューコにお任せ!事務所戻ったら肩揉みくらいしたげるよん」
別にそうまでしてもらうほど疲れてるわけじゃないけどな、気持ちはありがたいが。
「なんか最近活き活きしてるな、お前」
313: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:12:15.68 ID:yviOxOePo
「最近は熱心なファンも増えてきたしねー。じゃあもうちょっと頑張ってくるよ」
小休憩を挟むと、周子は一足先に営業に戻っていった。
最初はあまり乗り気じゃなかっただけにどうなるかと思ったが、楽しんでくれてるならそれに越したことはない。
さて、俺ももうひと踏ん張りするか。アイドルが頑張ってるってのに俺が休んでるわけにはいかん。
314: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/05/05(月) 00:12:49.54 ID:yviOxOePo
「あれ、清村先輩じゃないっすか。こんなところで何してるんすか?」
「安井ィィィィィィ―――――――!?」
「あ、清村先輩のおかげで欲しかったグッズ買えました!これで周子ちゃんに振り向いてもらえ―――――ぐべらっ!?」
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