過去ログ - 清村くんと杉小路くんとアイドルと
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419: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/09/23(火) 20:18:13.88 ID:9KnN41Fto
そんなこんなで、急激に人気を獲得した蘭子に回される仕事は多い。
比較的横並びとはいえ、うちの中では入った時期が遅い方だったのにもかかわらず先にデビューした面々に並び立つほどだ。
ここで一気に追いつかれた奴らはこれを刺激に頑張って欲しいし、蘭子の後に入った奴らはこれを目標にして欲しい。
今の蘭子は、うちの事務所にとってかなり重要なファクターと化していた。
420: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/09/23(火) 20:18:49.99 ID:9KnN41Fto
例えば、このスケッチブックなんかは少し気になっている。
蘭子が何かを描いている場面に出くわすことは少なくないが、実際に絵を見たことは一度もなかった。
元々それ自体に興味があったわけじゃない。
ただ、俺に気が付くとすぐ体で覆い隠すなんて露骨なことをされるとどうしても気になってくるだろ?
421: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/09/23(火) 20:19:24.23 ID:9KnN41Fto
「へぇ……」
結構上手いんだな。
絵に自信がないから隠しているのかと思ったがどうやら違うらしい。
そのまま適当に流し見てみると、思わず目を引かれる絵が最後のページにあった。
422: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/09/23(火) 20:19:58.05 ID:9KnN41Fto
「あれ……私、寝ちゃってた……?」
「あ」
これはやばいと理解した時にはもう既に遅い。
423: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/09/23(火) 20:20:45.82 ID:9KnN41Fto
「ら、蘭子?」
そのままぶるぶると震えつつも一向に動こうとしない様子を見かねて声を掛けたその瞬間だった。
「清村さんの、ばか――――っ!」
424: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/09/23(火) 20:21:29.90 ID:9KnN41Fto
「おーい清村ー」
気付けばあれから数日が経っていた。
その間も俺と蘭子は一緒に仕事に出ることはあったが、最低限の事以外は口を聞いてくれないし顔も合わせてくれない状態が続いている。
425: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/09/23(火) 20:22:02.05 ID:9KnN41Fto
「聞けよ」
「おぶぇっ!?」
これからどうしようかと考え事をしていた矢先、突如顔面に激痛が走り俺はそのまま勢い良く壁まで叩きつけられる。
426: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/09/23(火) 20:22:51.13 ID:9KnN41Fto
「それで、何の用だ?仕事の話か?」
「いや、ただ単に昼飯にでも誘おうかと思っただけだよ」
「もうそんな時間か……別にいいけどよ」
427: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/09/23(火) 20:23:56.14 ID:9KnN41Fto
「ふーん。まるで蘭子ちゃんのスケッチブックを勝手に見て怒られて凹んでるみたいな顔してたけど」
「なんで知ってんだよ!?」
悩み事をピンポイントで言い当てられて思わず動揺が走る。
428: ◆6frnuselJis0[saga]
2014/09/23(火) 20:24:27.86 ID:9KnN41Fto
「だから今までずっと悩んでたってわけ?ちゃんと謝ったの?」
「まあな……。結局、ロクに口も聞いてくれないわけだが」
普通に謝っても駄目ならしょうがない。あの手でいくか……。
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