過去ログ - 清村くんと杉小路くんとアイドルと
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512: ◆6frnuselJis0[saga]
2015/03/07(土) 20:01:13.50 ID:yWUqlj1yo
「何故お前がここに居て、何故俺まで体操着に着替えさせられているのか説明しろ」
巴の付き添いで来ただけのはずなのになんでこんなことになってしまったのか。
高校時代よく来ていた練習着を、今久々に身に付けている。
ふと懐かしい気分になったが、嫌な思い出も数多く蘇ってくるので考えないことにした。
513: ◆6frnuselJis0[saga]
2015/03/07(土) 20:02:29.51 ID:yWUqlj1yo
「だって清村、最近見てて情けなくなるくらい衰えてるからね」
「まるでヨボヨボの老人みたいに言うんじゃねーよ。俺はまだ20代前半だっつーの」
「でも実際、だいぶ身体が鈍ってるだろ?」
514: ◆6frnuselJis0[saga]
2015/03/07(土) 20:02:57.51 ID:yWUqlj1yo
「たまには体を動かすのも悪くないか」
最近は運動してなかったとはいえ、元々体を動かすのは好きだからな。
仕事で煮詰まった頭を切り替えるのにはいい気分転換になるだろう。
「じゃあせっかくだし僕も一緒にやろうかな」
515: ◆6frnuselJis0[saga]
2015/03/07(土) 20:03:24.20 ID:yWUqlj1yo
「もし僕より早く練習メニューを終わらせられたら、最近新しく出来たスイーツバイキングに連れて行ってあげるよ」
「よしじゃあやるか!」
「甘いものが絡んだ途端、現金な奴じゃな……」
516: ◆6frnuselJis0[saga]
2015/03/07(土) 20:03:59.03 ID:yWUqlj1yo
「ハァ……ハァ」
「どうしたんだい清村?まさかこのくらいでへばったりしないよね?」
「嘘……だろ……?」
517: ◆6frnuselJis0[saga]
2015/03/07(土) 20:04:29.68 ID:yWUqlj1yo
「俺は……ここまで落ちぶれてたっていうのかよ……」
俺が勝ってもスイーツバイキングに連れて行く気なんかないんだろうなとも考えていたが、その考えすら甘かった。
杉小路は俺に勝てると確信してたからこの勝負を挑んできやがったに違いない。
まさかここまで体力に差が付いていたとは考えもしなかった。
518: ◆6frnuselJis0[saga]
2015/03/07(土) 20:04:56.86 ID:yWUqlj1yo
「ほらシャキッとせえ清村。これでも飲んで少し休むけぇ」
しばらくそうしていると、巴にスポーツドリンクを手渡された。
どうやら休憩中らしく、もう1本蓋の開いたドリンクを手に持っている。
「……情けねぇところ見せちまったな」
519: ◆6frnuselJis0[saga]
2015/03/07(土) 20:05:33.64 ID:yWUqlj1yo
「俺は……負けた。小細工なしの実力勝負で、完膚なきまでに」
これじゃあいざとなったらボディガードとして巴を守ってやるという役回りも怪しくなってくる。
そういう条件で俺は巴の親からアイドル活動をする許しを貰って預かってるって言うのにな。
「うちは別に勝負に負けたことを情けないとは思わん。ただ、そうやってウジウジしとるのは好かんわ」
520: ◆6frnuselJis0[saga]
2015/03/07(土) 20:06:20.74 ID:yWUqlj1yo
「そうか……そうだよな。このまま負けっぱなしは性に合わねぇ」
負けたら次勝てばいい。簡単な事じゃないか。
サッカーやってた時だって負けたらひたすら練習して、勝てるようになるまで努力してきたんだ。
それと同じことをやればいいだけだ。
521: ◆6frnuselJis0[saga]
2015/03/07(土) 20:06:58.42 ID:yWUqlj1yo
「うおおおおおおお!」
あれから1ヶ月が経ち、俺は再び杉小路に勝負を挑んでいた。
あまりにもハードすぎるメニューだったが毎日欠かさず同じ量……いや、杉小路を超えるためにそれ以上の練習をこなしてきた。
その甲斐あってか身体にキレが戻ってきたのをひしひしと感じる。少なくとも、1ヶ月前の俺とは完全に別人だ。
そして今、最後の走りこみ対決もラストスパートに差し掛かっている。
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