過去ログ - 清村くんと杉小路くんとアイドルと
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59: ◆Cl5eTqy0tg[saga]
2013/12/29(日) 21:35:30.36 ID:17qPgUVAo
「なんだよこれ」
口が閉じてあって、中に何か入っているのは明らかだった。
ただの封筒のはずなのに、杉小路から渡された代物というだけで警戒してしまう。

「別に変なものじゃないよ。ただ別れ際にあの子に渡してくれればいいから」
以下略



60: ◆Cl5eTqy0tg[saga]
2013/12/29(日) 21:35:57.40 ID:17qPgUVAo
「おーい。行くんじゃなかったのか?さっきから二人でこそこそ何やってんだよ」

「わりぃ、今行く。んじゃな」

「頑張ってこいよ」
以下略



61: ◆Cl5eTqy0tg[saga]
2013/12/29(日) 21:36:23.83 ID:17qPgUVAo
薄暗くなった夕焼け空を背景に、俺達は雑談を交えながら歩いていた。
内容は主にサッカーに関すること。プレイについてだとか、全国優勝のときのことだとか、好きな選手だとか。
俺はだんだん、サッカー少女と会話するのが楽しくなってきていた。

だって仕方ないだろ、高校時代からまともにサッカーの話出来る奴なんか居なかったんだから。
以下略



62: ◆Cl5eTqy0tg[saga]
2013/12/29(日) 21:36:52.13 ID:17qPgUVAo
「なー清村。明日もまたサッカーやろうぜ」
呼び捨てかよ。まあ別に呼び方なんてどうだっていいんだが。

「無理だ。仕事がある」
さすがにこれ以上スカウト業をおろそかにするのはまずい。あんまり長引くと杉小路に何されるかわからん。
以下略



63: ◆Cl5eTqy0tg[saga]
2013/12/29(日) 21:37:22.72 ID:17qPgUVAo
「だから今探してるとこなんだよ。昼間に公園に居たのはその息抜きみたいなもんだ」
それからしばらく、俺はここ数日のスカウト業の進歩のなさについて愚痴っていた。
小学生に仕事のことを愚痴るって、傍から見たら相当アレな人間かもしれんが。

「ふーん……大変なんだな……」
以下略



64: ◆Cl5eTqy0tg[saga]
2013/12/29(日) 21:37:50.73 ID:17qPgUVAo
「お前、アイドルやってみないか?」

「オレ?やだよ。そもそもアイドルってガラじゃないだろ」
速攻で拒否。わかってはいたけどな。
だけど、俺もただで引き下がるつもりはない。
以下略



65: ◆Cl5eTqy0tg[saga]
2013/12/29(日) 21:38:16.93 ID:17qPgUVAo
「そうすりゃ仕事の合間とか、暇な時間に付き合ってやることは出来るぞ」

「う……確かに悪くない話だけど……でもオレがアイドルってやっぱ想像できねーよ」
そりゃそうだろうな。
急にアイドルにならないか、なんて言われて現実味が湧く奴なんか居ないだろう。
以下略



66: ◆Cl5eTqy0tg[saga]
2013/12/29(日) 21:38:44.53 ID:17qPgUVAo
「……一応挨拶とかしといた方がいいか」
話しながら歩いていたせいか、小学生が帰るにしては若干遅い時間になってしまっていた。

「あー……いーよ別に。親父は仕事だし、兄貴達も部活の時間だから誰も居ないって」

以下略



67: ◆Cl5eTqy0tg[saga]
2013/12/29(日) 21:39:30.21 ID:17qPgUVAo
「なんだこれ?封筒?」

「俺にもわからん。杉小路から頼まれた物だからな」

「ふーん……わかった。渡しとくよ」
以下略



68: ◆Cl5eTqy0tg[saga]
2013/12/29(日) 21:40:04.78 ID:17qPgUVAo
「まさかオレがアイドルやることになるなんて……」
後日、結城晴はめでたくうちのプロダクションと契約を結ぶことが決まった。
と言っても完全な本人の意思というわけじゃなく、元々娘をアイドルにしたがっていた親父さんが勝手に応募したらしい。

あの時杉小路から渡された封筒。
以下略



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