過去ログ - 漫(洋榎先輩の唐揚げにレモン掛けとこ)プシャァァァッ
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[saga]
2013/12/29(日) 22:37:07.07 ID:XYlCpEBao
漫 (ここで決断を渋っても、いずれ必ずもう1人の犠牲者を選ぶ事になる……)
漫 (そして絹ちゃんを助けるには、今この時に生贄を決める他無いとしたら……)
漫 (選択の余地は無い……! 綺麗事では誰も救えんのや……っ!)
絹恵「っ!?」
固く決意した顔で絹恵の方を見る漫。
絹恵はその表情から漫の考えを悟った。
絹恵「やめて漫ちゃん! お姉ちゃんを選ばないで! お願い!」
絹恵「そんなら私が……私がお姉ちゃんの代わりに生贄になるから……!」
絹恵「あっ!」
黒服が座っていた絹恵の髪の毛を引っ張り、彼女を郁乃の元へ連れて行こうとする。
掴み方が悪かったのか、絹恵が抵抗したからか、長く綺麗な髪は音を立て千切れた。
漫は黒服を止めようとするも、胸倉を掴まれ勢い良く投げ飛ばされてしまった。
漫 「ぐぁっ……! んぐぐっ……絹ちゃん……っ!」
洋榎「何しとるんや漫! 間に合わなくなってもええんか!?」
漫 「くっ……!」
恭子(このままやと洋榎が2人目の生贄として殺される……)
恭子(洋榎が死ぬ……? 嫌や……そんなん……絶対に嫌や……!)
漫 「洋榎先輩……ごめんなさい……うちは貴女を……」
恭子「待って漫ちゃん! うちを生贄にしてや!」
漫 「っ!? 末原先輩……!?」
洋榎「恭子っ!? お前なにゆうてんのや!? 何でお前が……っ!」
恭子「凡人のうちなんかとは違って、洋榎には世界へ羽撃ける天賦の才がある!」
恭子「天より授かりし類い稀なる才能を、こんな所で無駄に絶やすなど許されん!」
恭子「洋榎には輝ける未来が待っとる! せやから、生き残るべきは洋榎なんや!」
絹恵「駄目っ! 恭子ちゃんはお姉ちゃんと一緒に未来を生きて……っ!」
恭子「違うっ! 洋榎と共に生きるべきは絹恵ちゃんや! せやからうちを……!」
黒服に引き摺られながらも、姉を救おうと必死に訴える絹恵。
黙っていれば生き残れただろうに、自ら生贄を名乗り出た恭子。
自身を犠牲にしてでも洋榎を助けたいという強い想いが、漫の決断を鈍らせる。
漫 (うぅっ……洋榎先輩を指名するつもりやったのに……)
漫 (そないなこと言われたら……うちはどないすれば……)
恭子と絹恵の言葉が漫の心を揺さ振り、答えなど存在せぬ迷いの思考へと誘う。
洋榎「お前ら勝手な事を抜かすな! 漫っ! 2人の戯れ言に耳を貸すんやない!」
洋榎「考えるな! 考えたらあかん! 思考の泥沼に嵌まって抜け出せなくなる!」
洋榎「心を無にして、うちを生贄に指名すると決めた最初の判断に従え! 漫ッ!」
郁乃(…………)
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