過去ログ - 漫(洋榎先輩の唐揚げにレモン掛けとこ)プシャァァァッ
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[saga]
2013/12/30(月) 01:39:16.12 ID:2zYlJASco
郁乃(なんやこれ……)
郁乃(ここは相手を蹴落とさんとばかりに命乞い競争する場面やろが……)
郁乃(せやのに、どいつもこいつも悲劇のヒロイン気取りやないか……)
郁乃(くっさい三文芝居なんぞしよって……鼻がひん曲がりそうやわ……)
郁乃(真瀬ちゃんがあっさり死んだ事で処刑に対する恐怖心が薄まったか?)
郁乃(生贄を巡り仲間同士で口汚く罵り合いすんのも醍醐味の1つやったのに……)
郁乃(まぁええわ。その分、この制裁≠ナたっぷり楽しませて貰うからな……)
凶器が並んでいる荷台から錐を手に取り、獲物となる絹恵を待ち受ける郁乃。
もう少しで黒服が郁乃の前に辿り着くというその時、漫が生贄の名を宣言した。
漫 「洋榎先輩を……うちは洋榎先輩を2人目の生贄に指名します……!」
絹恵「っ!?」
恭子「っ!!」
絹恵「考え直して漫ちゃんっ! 私が……私が……っ!」
恭子「お願いやから取り消して漫ちゃん! 洋榎を死なせんでや!!」
漫 「何を言われようと、うちは考えを改める気はありません。ごめんなさい……」
声を震わせ、拳を握り締め、涙を流しながら俯く漫。
漫 (例え末原先輩に怨まれようとも……)
漫 (例え絹ちゃんに憎まれようとも……)
漫 (洋榎先輩の意見を尊重し、その意思を受け継ぐと心に誓ったんや……)
漫 (軽蔑されてもええ……。うちは一生この罪を背負って生きて行く……!)
洋榎(罪悪感という足枷を断ち切らなければ、この選択は不可能やった……)
洋榎(良心の呵責を乗り越えて……よく頑張ったな漫……それでええんや……)
漫がそう宣言した次の瞬間、郁乃のポケットから2匹の金の蛇が頭を出した。
それは細い光の筋となって、螺旋を描きながら絹恵と恭子の元へ突き進んで行く。
郁乃「うぉっ!?」
絹恵「んぐっ……!」ジュン......シュウゥゥゥッ......
恭子「んあっ……!」ジュン......シュウゥゥゥッ......
漫の時と同じ様に、金色の蛇達は恭子と絹恵の右手にそれぞれ絡まり収まった。
同時に、絹恵を引っ張っていた黒服の動きが郁乃から少し離れた場所で停止する。
郁乃「……ん? どうした? 何でそこで止まる?」
絹恵 「……?」
黒服2と黒服3は郁乃の問いにも答えず、絹恵を解放し彼女の傍から離れた。
何故そうなったのか理解できず、絹恵は呆然とした様子で地面に座っている。
郁乃「おい、私は絹恵ちゃんを私の目の前≠ワで連れて来いゆうてるんやぞ?」
黒服「申し訳ありません赤阪様、絹恵様に制裁を加える事は不可能となりました」
郁乃「…………はっ?」
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