29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/27(金) 22:00:17.28 ID:EWTP6gU8o
夜の闇がまたもう少し濃くなった頃、もう一人同行者が増えた。
「じゃあお前たちは知人同士ってわけじゃないのか」
彼はそう言って陰気な顔でなるほどと頷いた。
「確かにそういう雰囲気じゃないな」
その男はつい先ほどのコンビニにいたようだ。
ちょうどぼくたちと行く方向が同じで、気づかなかったけれどずっと一緒に歩いていたらしい。
そしてついさっきシナノがリップクリームを落としたときに声をかけてくれたのだ。
そんな小さいものが落ちたのがよく分かったなとぼくはその時ちょっぴり感心した。
「まずいですかね」
ぼくは少しだけ警戒して訊いた。
シナノは高校生くらいに見えたし、一方ぼくはまず間違いなく高校生には見えない。
知人同士にも見えないならば、ちょっといかがわしいことを想像されても文句は言えない。
いやぼくは言うけれど。
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