過去ログ - 垣根「はぁ、っはぁ…」一方「もォ、やめ…」
1- 20
4: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/12/23(月) 01:19:07.32 ID:UQweWCd20

走る、走る。

後ろから銃弾が飛んできて、跳ね返った。
ナイフのようなものが飛んできて、跳ね返った。
爆弾のようなものが投げられて、跳ね返った。

その全ては、大人達へ牙を剥き。
死屍累々と積み上げられる人体を尻目に、やがて袋小路の橋の上まで追い詰められた。

見上げる。

ヘリコプター、戦車、数え切れぬ程の対能力者兵器。
そして、自分を睨み、あるいは自分に怯える人々の姿。
このまま逃亡を続けていれば、自分のために世界が滅ぶ。
誇大妄想でも何でもなく、それは事実だ。

『………そォ、か』

自分が悪いのだ、と自覚した。
ただ、存在しているだけで災厄なのだと認識した。
善意だろうが悪意だろうが、ただ感情を向けただけで、相手を傷つけてしまう。

そんな存在が、人間だと言えるのだろうか。
言えないだろうなあ、と自分自身思った。

嗤った。

そうして、意識的に『反射』を解除した。
ぐじゅり、と嫌な肉の音がして、鎮静剤入りの銃弾が肌に突き刺さる。
世界の全てに絶望と諦念を植えつけられながら、ただ、静かに目を閉じた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
54Res/22.77 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice