過去ログ - ふと思いついた小ネタ(スレタイ含む)を書くスレ30
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以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
[sage]
2014/01/30(木) 17:47:17.99 ID:zGR9a0Kg0
そして西住マホも無能な指揮官ではない。軍人の家系に生まれ、母が軍の将校である自分のように将来軍人になれといった影響から彼女は軍人をこころざした。彼女にいわせれば普通の生活がしたいといって逃げ出した妹など軟弱なものに過ぎなかった。
普通の女らしい生活など昔はともかく陸軍士官学校を経たいまでは望むこともまずない。そんな彼女は、士官学校で兵科として機甲科を選び戦車小隊の少尉として優秀な戦火を今まで上げてきた。
陸軍第百五戦車師団第2連隊第3大隊第7中隊第5小隊、通称ブラックフォレストの少尉として。上げた戦火のみならずかなりの美人な女性のみで構成されたために内外から注目されている部隊である。
彼女は軍人という自分のありかたにも部隊にも満足していた。満ち足りた気持ちだった。
鋼鉄の馬を操り、軍人として憎くてきこく帝国との戦いに参加できることに。
だが今はさっさと逃げ帰りたかった。軟弱であると断じた妹のように軍人の道を選ぶべきではなかった。
ペリスコ−プを通して、外の様子を見る顔は青ざめていた。指揮官が負けるといったときはまずまける、不利な戦況に動揺すれば部下にも伝染する、だから部下のまえでは、負けるというな、怯えを見せるなという戦場の鉄則さえ忘れていた。
歯が噛み合わない。ガチガチと歯は小刻みになり、体は震える。呆然としているだけでなく恐怖しているのだ。
ただでさえディーゼルエンジンという都合上で臭い戦車のなかにそれとは別の異臭が漂う。
小隊指揮官であり戦車の車長でもある彼女の座る席の下を見ればわかる、そこには水溜まりができていたそれも黄金色の。
恐怖のあまりに赤ん坊のように失禁していたのだ。
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