過去ログ - モバP「ブリッツェンがいなくなった……」
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/12/24(火) 00:10:45.07 ID:iGL7vRyq0

「あっれ〜? ブリッチャン? だよね?」

 聞き覚えのある声を耳にした。何か惜しい気がするが、私の名を呼んだようだ。首をめぐらせる間に、また別の声がする。

「莉嘉、どったのってあれ? ブリッツェンじゃん!」

 先ほどのものより少し大人びた声。見れば確かに少女が二人、驚いたような顔をして私のほうを凝視していた。


 どちらも見知った顔である、と思う。断言しきれないのは、二人とも帽子に色眼鏡(ハイカラな言い方ではなんと
言うのだったか)という出で立ちで、顔の判別がつけにくいためである。私の記憶力の問題ではない。

「ブリッチャン、一人? イヴちゃんは?」

 顔の判別はつけにくくても、私を「ブリッチャン」などと呼ぶ者は一人しかいない。どうやらやはりこの娘はリカのようだ。
一度は我が背を許したこともある、年齢の割に無邪気で愛らしい少女。愛らしいと言っても我が主にはまだ及ばぬがな。

「イヴちゃんいないっぽいねー。一人で何してんのブリッツェン。散歩?」

 こちらはあまり関わりはないものの、無論存じている。リカの姉のミカであろう。妹以上に完成された実に美しい娘である。
それでも我が主には今一歩及ばぬがな。

 彼女はこの雪空の下、天然の毛皮を着込んだ私ですら寒いというのに、丈の短いスカートを身につけ、惜しげもなく脚を
さらしている。まったくこの国の若い娘の考えることは一介のトナカイには理解が難しい。



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