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過去ログ - 【fate】安価で聖杯戦記・外典【開戦】

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218: ◆q.TF664746[saga]
2013/12/24(火) 23:50:17.08 ID:csHsZW+no
【プロローグ】

――貴方の「始まり」は、謂わば死に触れながらのものだったと言って良いだろう

間桐の家に、間桐鶴野の嫡子として。後に「慎二」と名付けられる子と同じ胎内を同時に共有していた貴方

出産の際に、スムーズに産まれ出た慎二と違い貴方は臍の緒が絡まり……結果、あわや死産となるほどまでに難産を極めた

しかし――魔術師としての将来を最初から計算に入れるならばこれは寧ろ喜ばしい偶然であったと言える

母の胎内で世に産まれ出ねばならないのにそれが中々出来ず、次第に出生する体力を失っていく。「死」が鼻先まで近づいてきた時、どうにか産まれ死を回避できた

そうして、「死」という物に一瞬だが触れた貴方は、生まれて数日もしないうちに間桐の妖怪……臓硯に目を付けられる

産まれ順では「長男」の慎二がさしたる才能も感じさせることは無く、魔術師としては凡夫以外の何物でも無いと断ざれたのに対し貴方の存在は正しく奇跡の産物

臓硯をして、「あの鶴野とあの母体から、これほどの物が生まれようとは……！」と思わず笑みを浮かばせるほどの才能が、貴方にはあった

それから、魔術師として世間に隠されるようにしながら教育を受け続けた貴方は、幼くして臓硯を凌ぐ蟲使いとなった

また蟲に対する支配力も中々に強く、もう７つの齢になるころには臓硯以上の支配力を得る始末

だが、妖怪はその才能を只管に喜ぶばかりだった。貴方の存在が、間桐という血がまだ死んでいないという一つの証拠になっていたかもしれない

――もしかすれば十分に成長しきってから解剖し、己の不老不死の役に立てるつもりだった可能性もあるが……

とにかく、貴方を重宝しようという意思が臓硯にあったことだけは間違いない

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