過去ログ - 両儀 式「私より強いやつに会いに行く」
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[saga]
2013/12/24(火) 16:52:34.75 ID:8WLG3M3J0
式「まんまあの頃だな」
屋上を目指すエレベーター内で、式は一言つぶやいた。
三咲町という町が、どこまでしでかしてしまうのかはわからない。だが、式には何となくではあるが、この町がいわゆるトンデモであることは察していた。
夢であるか定かでないときに一度訪れ、元凶を討ち、それでも止まらなかった町。
その時に現れた。私の同類。
あの時のことはずっと気掛かりではあった。ただ確かめる気にもならなかったのは、所詮、夢にも等しい一夜のことだったからだ。
だが、町は再び式を迎えた。ここまで来ればお膳立てが過ぎている気がする。ついでと言ってはなんだが、全てが終わったら、この町を調べるつもりではある。
エレベーターはもうすぐ到着する。式は右手にナイフを握り込んだ。
チーーン
場違いな軽い音がなり、扉が開く。そこには、
白純「あァ?両儀じゃねえか?」
浅上「あれ?両儀…さんですよね?」
巫条『あなたは……あの時の……』
式「まったく、揃いも揃って。どういうことだよ」
彼らがなんなのかは考えない。ただそこにあることだけを確認し、式は彼らの死を視る。
式「さあ、かかってこいよ。お前たち、揃いも揃ってなんなのかは知らないけどさ。今ここにあっちゃいけないもんだろ?」
巫条霧絵はすでに自殺し、浅上藤乃は完治し元通りにあの町で生きていて、白純里緒は自らが殺した。
今ここに存在するのは空虚な伽藍の洞。そのもの自体が矛盾を孕む残留思念。俯瞰することも考察することも出来ない愚か者。
式「だったら――――」
そんなもの。私にとって壁でもなければ障害でもない。
式「殺さなくっちゃなあ!!」
式はそう言って駆け出した。
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