過去ログ - 京介「桐乃、すっげぇ似合ってるよ。ウェディングドレス」
1- 20
1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/12/24(火) 20:35:06.23 ID:1tTWuIGN0

12月24日、午前8時。
俺は歩き慣れたこの街の中をゆっくりと歩いている。

ほぅっと吐く息が白い靄となり、自分の歩いた場所にしばし留まる。
そうやって一つ一つの場所に標しを打つように
俺は学生時代を過ごしたこの街を、ゆっくりと巡っている。


俺が実の妹に熱烈な告白をするため多くの友人を巻き込み
その想いが成就して桐乃と恋人として過ごしたあの4ヶ月間
あの騒がしかった日々が今ではもう7年も前の出来事だ。

SSWiki : ss.vip2ch.com



2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/24(火) 20:36:54.49 ID:1tTWuIGN0

あの後俺は大学に進学し、学年が上がる際に実家から遠ざかったキャンパスとの往復に耐え切れず
3年生になると大学周辺で一人暮らしを始めた。


以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/12/24(火) 20:37:28.75 ID:1tTWuIGN0

しばらく歩くと、昔良く遊んだ公園を通りがかった。
ここにほ事あるごとによく来たよなぁ
「あいつらは・・・」
元気でやってるかな。
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/24(火) 20:42:12.70 ID:1tTWuIGN0

今日、そんなみんなが久しぶりにみんな集まるのだ。
それが楽しみでないと言ったら、嘘になる。
でもそれを全力で楽しみにする余裕は俺にはなかった。

以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/24(火) 20:44:26.38 ID:7TRplhxYo
基地外妹と人間として欠陥品なクズ兄貴はさっさとシネ


6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/24(火) 20:47:50.30 ID:1tTWuIGN0

ゆっくり、ゆっくり
いろいろなことを懐かしみながら思い出の街を巡った。
このまま家に引き返して、あの日のままに家族で食卓を囲めたらどんなに幸せか。
でもそういうわけにはいかない。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/12/24(火) 20:48:38.43 ID:j2ZofctAO
もし肯定スレ住人だったりすると俄然興味が湧くんだがww

続けてどうぞ。


8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/24(火) 20:49:34.44 ID:1tTWuIGN0

「高坂京介です。」
「あ、桐乃様のお兄様ですね。お待ちしておりました。」
目的地である建物の入り口に立っていた従業員に名前を伝えると、彼女はすぐに俺を奥にある部屋まで案内してくれた。
ドアの前で待っているようにと伝えて一旦部屋に入っていった彼女は
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/24(火) 20:50:29.21 ID:1tTWuIGN0

重厚な木製の扉を前にして改めて息を飲む。
やばい、めちゃくちゃ緊張してきた!
端からみたら多分、出来損ないのロボットのようにぎこちないうごきになってるんだろうなぁ。
ガチガチになりながら扉を開いていくと、だんだんと室内が視界にはいってくる。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/24(火) 20:50:59.78 ID:1tTWuIGN0

「ぷっwwwwなにそれ、だっさww」
「う、うるせぇ!めちゃくちゃ緊張したんだよ!」
普段どうりの罵声を浴びせてくる相手に、子犬のように縮こまった心身がすこし和らいだ。
協会の中でも一番奥にあるこの部屋は、現在新婦の待合室と更衣室を兼ねている。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/24(火) 20:53:43.91 ID:1tTWuIGN0

「で?」
こんな状況でいきなり生意気なことをのたまった妹は、次に腕を組み不満気な表情で聞いてきた。

「で?ってなんだよ?」
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/24(火) 20:54:12.75 ID:1tTWuIGN0

「桐乃、すっげぇ似合ってるよ。そのドレス」

「ばっ、ばかじゃん。・・・まぁ、ありがと。」
真っ白なウェディングドレスを着た桐乃は、とても綺麗だった。
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/24(火) 20:55:36.61 ID:1tTWuIGN0

「ねぇ兄貴、楽しかったね。」
そんな柔かな静けさの中で、桐乃が言った。
漠然とした問いかけだったが、何が?なんて聞かなくてもわかる。
「あぁ、ほんとにな。」
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/24(火) 20:56:55.52 ID:1tTWuIGN0

まだ小さかった桐乃の淡い恋心
ほとんど話すこともなかったすれ違いの数年間
それから、人生相談
桐乃は楽しそうに一つ一つの思い出を喋った。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/24(火) 20:58:20.95 ID:1tTWuIGN0

どれだけ友人に呆れられ、世間に蔑まれ、両親を悲しませても
それでも桐乃と歩む人生がどこかにあるんじゃないかって。
そんな希望を持っていたからこそ、そりゃぁもう突っ走った
走って走ってボロボロになっても足掻いて
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/24(火) 20:58:46.98 ID:1tTWuIGN0

「あたしはね、今までのことに後悔はひとつもないよ。」
「うん。」
「よくあんなあたしたちをみんな苦笑いで見守ってくれたよね。」
「ほんとになぁ・・・。」
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/24(火) 21:31:09.06 ID:1tTWuIGN0

俺と桐乃は結局のところ結論を先延ばしにして有耶無耶にしたに過ぎない。
それなのに時間というものは憎らしいほどに偉大で、こうして桐乃の結婚という一つの結論を導いている。
時に委ねた気持ちは移ろって変化し、落ち着いて、桐乃はきっちり彼氏を見つけた。
見つけたというか、相手からの猛アタックに折れたといった形だったが
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/24(火) 21:31:53.58 ID:1tTWuIGN0
この気持にも落とし所を見つけるべく、桐乃が情けない兄を気遣って用意してくれたのがこの協会での結婚式なのだろう。

今度こそ、ほんとうにさよならだ。
俺の妹との、長く続いた曖昧な関係は、終わる。

以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/24(火) 21:33:15.35 ID:1tTWuIGN0

俺が思っていたほど、桐乃も気持ちに整理がついていたわけではないのかもしれない。
そう思うとますます俺が支えてやりたいなんて身勝手なことを考えてしまう。
だからそんな泣きそうな声出さないでくれ・・・。頼むよ・・・こっちも堪えるの必死なんだって。

以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/24(火) 21:34:12.66 ID:1tTWuIGN0

「あたし、あの・・・」
あーあ、もうきっと化粧もぼろぼろだろう。式の前に妹をこんなに泣かせてしまっては
お袋になんて言われるかわかったもんじゃない。
「あたし・・・あの、あにき・・・」
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2013/12/24(火) 21:35:12.52 ID:1tTWuIGN0


朝と同じように冷えた空気が露出した肌を刺す夕方。
来た道をゆっくりと歩いていた。
二次会はなんとなく遠慮した。なんとなく、気まぐれだ。
以下略



36Res/14.22 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice