過去ログ - 杏子「メリークリスマス。今年はいい報告が出来そうだよ、親父」
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3: ◆FLVUV.9phY[saga]
2013/12/25(水) 17:31:24.11 ID:JiXopoRno






 電灯の明かりだけを頼りに、日課の手製爆弾を作り終えた私は深く息を吐きだした。
 現在時刻は二十一時二十四分。就寝するには少し早い、何とも微妙な時間だった。

「思えば、爆弾を作るのも随分と早くなったものね」

 昔はもっと、時間が掛かっていたっけ。それで寝不足になることもしょっちゅうだったわけだし、いい傾向かしらね。
 手を止めて、少しだけ考える。

 爆弾とは別の、作りかけの『物』へと手を伸ばして、私は作業を再開する。

「間に合うのかしら、これ」

 少しだけ不安に駆られながら手を動かす。
 そこで不意に気配を気取る。

「何か用かしら?キュゥべえ」

 部屋の明かりは私の手元の電灯だけ。なれば当然この部屋は薄暗い。
 その薄暗い部屋の隅の隅、影と影が重なり合って形すら分からない空間から、白い体に赤い目を灯した小さな生き物がふらりと出でる。

「用、というほどのことはないね。ただ単純に様子を見に来ただけだよ。もう君の分のグリーフシードは回収させてもらっているしね」

 何の気なく、といった様子なのかキュゥべえがそんなことを言う。
 おかしなものだ。感情がないなどと、のたまうくせにこれで結構気まぐれなところがあるのだから。





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