過去ログ - 【咲安価】莉子「私と十五の『勝負』」【ほのぼのスレ】
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62: ◆tetWnihkA6[saga]
2013/12/26(木) 21:27:45.56 ID:1U7hIaka0


―二時間後―


赤土「それじゃあ、また年末で……」ペコリ

顧問「はーい。よろしくお願いします」ペコペコ


やがて解散の時間となり、大人達がぺこぺこと挨拶をする隣で憧と劔谷高校麻雀部一同は言葉を交わした。


澄子「それでは今度は大会で……」ペコリ

友香「それじゃあ、またでー!」

憧「またねー」ヒラヒラ


この二時間で可哀想な澄子先輩以外は皆憧と打ち解けることができ、別れの挨拶も酷くフレンドリーなものとなった。


莉子「……あっ、ちょっと憧ちゃん待って!」

憧「んー?」


それは莉子も同じで、あの糞ゲー……ではなく雀牌インディアンポーカーの後の麻雀勝負を通してすっかり名前呼びができるようになっていた。


莉子「あの、高鴨さんに伝えて欲しいことがあるんだけど……」

憧「おっ、挑戦状かな?」ニヤニヤ

莉子「あ、あんまり茶化さないでよー……え、えっとね」

憧「うん」


空には夜が近づいているような、橙色と黒色が混ざった独特の色をしていた。

その夜の黒色が発生している場所に立っていた憧――まるで莉子には到達できない場所であるかのように、彼女は赤土監督と共に二人で立っていた――に向かって、莉子は大きな声で言う。

夜に近づくために。今の莉子では届きようが無いその暗闇の中に立ち並ぶ巨大な山々、そこに棲む一人の少女にも聞こえるように。


莉子「――『大会で覚悟しといてね』って!!」


澄子「……」

友香「莉子ちゃん……」

憧「……」


憧「……確かに、伝えておくわ」ニッ

莉子「――う、うんっ!!」ニコッ


そうして彼女達は笑顔を浮かべながら、その場をそれぞれが立ち去った。

夕暮れに溶けゆくその光景は、何故か酷く穏やかなものにも見えたという――。




……あ、因みに麻雀勝負では莉子は憧に一回も勝てませんでした。やっぱ全然駄目ですね。





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