834: ◆2XlUWYio/6[saga]
2014/04/15(火) 20:30:41.80 ID:wS6Xc2iP0
「…………提督?」
私の膝の上に頭を乗せ、先ほどからうんともすんとも言わなくなった提督に声をかける。返事はない。その代わりとばかりに可愛らしい寝息が提督から発せられた。どうやら眠ってしまったらしい。
「よほどお疲れになっていたのですね……」
男性にも関わらずしっかりと手入れがされた、触り心地の良い髪を優しく撫でる。起きる様子は全くなかった。
飲み物に混ぜておいた薬が効き始めるにはまだ早い。
つまりこれは純粋にまどろみに落ちてしまったと見ていいのだろう。そう結論付け、思考を切り替える。過程はどうあれ、これから行うことに支障はないからだ。
「提督、お休みのところすいません」
膝からその頭を下ろし、代わりに近くに置いてあったクッションを挟む。その横でしなだれかかるように足を崩した私は、次いで提督の顔へと指を近付けた。
「……ふふっ♪」
指で頬を突き、そのまま唇をなぞる。撫でるように顎に触れ、それからその指を私は自分の口に含んだ。
いつもと変わらない、提督の味。
その不変さが、私をひどく安心させる。
「提督? とっても美味しいですよ?」
自分だけが楽しんでいてはいけないと思った私は、お返しとばかりに提督の唇に指で触れる。
私の唾液で湿った指がその割れ目をなぞり、水分を与えられたことによって僅かばかりながらもその唇は潤された。
薄い桃色に浮かぶ光沢、さながらそれは最高級のお肉のようで。
その『肉』に私は舌なめずりをせずにはいられなかった。
1002Res/371.83 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。