過去ログ - モバP「お題でSS」
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/12/26(木) 04:01:45.97 ID:254l1QJ3o

【千秋と飲み会】

「あなたとお酒を飲みに行ってみたいのだけれど、どうかしら」

と、少々上目遣いかつ手を胸の前にと女の子らしいポーズで黒川千秋は言った。
千秋も二十歳だ。そういうことに興味を示しても何ら問題はない。
二つ返事で了承し、しかし変装をするようにと伝えた。

「待たせてしまったかしら。ごめんなさい、少し用意に手間取って」

『ああ、別に待ってないよ。それじゃ行こうか。どこにしようかな』

悩んだ挙句、たまに社長やちひろさんと向かう少々値の張る店へと向かった。
常に落ち着いた雰囲気を出している彼女が落ち着いていないのは新鮮だ。
適当に口当たりのいいものを、と頼み、千秋のほうへと向き直った。

「ねえ。何だか、こういうのって、素敵よね。隣に並んで、って」

『ちょっと大人になれたって感じはするかもな。なんていうかさ』

「私もそういうのに憧れるあたり、まだまだ子供なのかしらね?」

『いいんじゃないかな。俺だって、憧れてる。俺も子供なのかも』

「それなら、今の私たちは少しくらいは大人ということなのかしら」

『……ああ。でも、いつか、千秋がトップアイドルになってさ―――』

そこまで言うと、彼女は人差し指をあててきた。それ以上は。そういうことだろう。
千秋はくすくすと笑っているあたり、俺の意図を理解しているのだろう。
それなら、いつか。いつまでも隣に並べる大人になればいい。

乾杯。グラスに揺れる氷は、少しだけ大人の音がした。



                            おわり


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