43: ◆IpxC/P/Kzg[saga]
2013/12/26(木) 12:49:06.41 ID:254l1QJ3o
【ウサミン 中卒P(16)と元同級生】
どこかで見たことがある気がするアイドルが在籍している。
名前は安部菜々。今日、社長を交えはじめて顔合わせをした。
これから君が彼女のプロデューサーとしてやっていくんだよ。
そう社長から言われ、安部菜々と笑顔で固い握手を交わした。
『菜々さん、ですよね。えっと……いつか会ったことありませんか?』
「え!? ど、どうでしょう、あはは……。他人の空似じゃないですか? ……え」
明らかに怪しい。彼女には何か秘密があるようだ。何を隠しているのだろう?
しかし過度な詮索はよくない。誰にだって言えない秘密がひとつふたつはある。
俺だってそうだ。決して知られてはならないような秘密がひとつだけあるのだ。
どのようなアイドル路線で売っていきたいですか、と彼女に尋ねてみた。
すると、「ウサ! ……いえ、活気のあるアイドル! 的な感じで」と答えた。
ウサ? 何かひっかかる。彼女の容姿に足りないものがあるような気がする。
そうは思いつつも何か分からず、月日はゆっくりと流れていった。
菜々はメイドのコスプレから色々なコスプレをするのが好きなようだ。
今日の仕事のだいたいはちひろさんに任せてあったため、俺はその中身を知らない。
とりあえず菜々のいるスタジオに向かうと、衣装合わせが終わったらしい。
そんなわけで待機中の楽屋の扉をノックし中から声が聞こえてきた。
「あ、はーい! 今日はよろしくお願い……し……ま、す……」
安部菜々がウサミミをつけていた。その瞬間にすべてを悟った。
見たことがある。中学の頃、彼女を。俺は高校にいけず、遠くへ就職し疎遠になったが。
菜々はそれに気づいていないらしい。なら、思い出させてあげるしかない。
楽屋の扉を閉め、俺は菜々にやはり見たことがあるという旨を伝えた。
そして俺はよく見ていてくれと彼女に言い、はじめた。
やはり彼女は驚く。そして、どうして、と。これは天然物である。
「やっぱり……プロデューサーにも……」
「……ウサミミが、生えているんですね」
おわり
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