53: ◆IpxC/P/Kzg[saga]
2013/12/26(木) 13:13:45.36 ID:254l1QJ3o
【芸暦長いからあざとい事も照れなく出来る岡崎先輩】
岡崎泰葉は芸能界に長く籍をおいている。
そのため柔軟性のある演技ができることで非常に有名なアイドルである。
そう、ちょっと年齢に反した大人びた演技も難なくこなすのである。
表情に一切の照れはない。演技に入るとその役になりきるのだ。
おかげさまで同世代アイドルからは「岡崎先輩」などと親しまれている。
さて、そんな彼女と長くやっているが、最近は態度が軟化してきた。
と思ったら少し冷たくなったりと、やはり歳相応なのだな、と思った。
演技の上では冷静で正確である彼女も、舞台を降りると女の子なんだな。
最近は泰葉と星を見に行ったりと少しずつだが進展している気がする。
そういえばそのときは何だか色々とロマンティックでいい雰囲気……。
いやいやそんなはずはない。彼女が俺に好意を持つなどあり得ない。
あの場の雰囲気ではそういう言葉の掛け合いがマッチしていただけだ。
しかし表情豊かな彼女を見ていると、やはり、俺は……。
そして地方の綺麗な星空の下での収録を終えると、俺と泰葉は二人になった。
いつか、あの星を見ましたよね。ああ。泰葉は俺を見つめていた。
世界を舞台に。彼女はいつかそう言っていたはずなのに。
「これからも、もっともっと、輝かせてくださいね」
「まだまだ輝かせてくれるって、信じてますから」
「ふふ、名のない星でも……見つけてくれる人は必ずいますから」
そう思っていても、泰葉の顔と、そしてこのシチュエーションの中で。
想いは抑えきれなかった。そっと手を重ねると、彼女は笑ってくれた。
たった二人の舞台の上で少しだけ、そのあざとさに騙されてみることにした。
おわり
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