過去ログ - モバP「お題でSS」
1- 20
57: ◆IpxC/P/Kzg[saga]
2013/12/26(木) 13:49:27.01 ID:254l1QJ3o

【沙紀といちゃいちゃ】

吉岡沙紀というボーイッシュなアイドルがいるが、やはり女の子だと俺は思う。

クリスマス前日、パーティ用のプレゼントを買いに行きたい、と提案された。
そういえば、と俺も買っていなかったので、変装をして待ち合わせすることにした。
当日。いつものカジュアルなスタイルでなく、とても女の子らしい格好でそこにいた。

変装はしている。しているのだが。その容姿はあまりに人目を引きすぎる。

とりあえずは行こうか、と繁華街を目指し、適当な店を探してうろついてみた。
どこもカップルでいっぱいである。どうしようか……と迷っていたときだった。

「あ、あー……ぷ、プロデューサー、ほら! 行くっすよ、ほら、自然にっすよ」

とさも躊躇いもなさそうに、けれど頬を赤らめ俺に腕を絡め歩きはじめる沙紀。
どうしてこんな男と……と俺を見ていた男性は隣の女性に耳を引っ張られていた。
俺も沙紀もなんだか照れくさい無言の、けれど居心地のいい雰囲気を店員は嬉しそうに眺めていた。

「これなんかどうっすかね? アタシのチョイスでこれって、変っすかね?」

『いや、可愛らしいし全然ありだぞ。むしろ似合う。沙紀にプレゼントしたいくらいだ』

と、本当にそう思ったのでそれを手にとってレジを済ませ、沙紀に渡した。
「え? え? いいんすか?」と慌てていたが嬉しそうに「えへへ」と笑っていた。
プレゼントしたかいがある。その後、沙紀はずっと嬉しそうに笑いながら買いものを続けていた。

店の外に出るとなかなか寒い。これからどうしよう、と思っていると、沙紀は小さな観覧車を見つめていた。
ほとんどのカップルは中央のイルミネーションに集まり、もうすぐ日が変わろうとしているときだった。
たまには。そう思い「行こうか」とやはり照れくさいのだが観覧車の方向へと向かっていった。

「わ、わー! 見てほしいっすプロデューサー、ほら! イルミネーション、綺麗っすね……」

と、沙紀の位置からではよく見えないらしく、俺の隣に本当に自然に座ってきた。
もうすぐ日が変わる。プレゼントも買えたし、とつぶやくと、沙紀は大きな声をあげた。

「あ! あー! プロデューサーへのプレゼント……買い忘れちゃったっす」

『ああ、いいよ。今日付き合ってくれただけでも嬉しかったしさ。いいプレゼントだよ』

「うう」と申し訳無さそうにする沙紀。何かを考えているようだった。
「よし、よし……頑張れアタシ」と何かを意気込んでいるようにも見える。
ちょうど観覧車が一番上へとやってくるときだった。沙紀はもう一度大きな声を出して言った。

「あ! あれ! プロデューサー!」と指さした先には何もない。振り返ると……。





唇に、柔らかい、そしてほのかに甘いプレゼントが送られた。

                             おわり

       


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
107Res/46.55 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice