74: ◆IpxC/P/Kzg[saga]
2013/12/26(木) 14:43:41.68 ID:254l1QJ3o
【仕事を選べないトライアドプリムス】
りんなおかれん。どの花見てもきれいだな。
そんなトライアドプリムスは当然のように人気を獲得していった。
もう彼女らの一人でもテレビで、ラジオで、雑誌で、ウェブで見ない日はない。
もちろん番組出演数もどんどん増え、最初からすべて仕事を受けていた俺たちは選べない。
というより、彼女らはどんな仕事でも熱心にやるのだ。最近それが顕著に表れている。
事の発端は社長が「こういう仕事がある」と事務所で発表したことからはじまった。
どのプロダクションにも送付されたそれは受けるも受けないも勝手なのだが、誰もが口を閉ざした。
このプロダクションもだいぶ成長してきたし、これ以上バラエティの出演数が増えると彼女らも辛い。
と、ここで何名かトライアドプリムスの傾向を知っていて悪い顔をするものがいた。
凛は「ううん……やりたいけど、調節できるかな」と心配そうにしていた。
奈緒は「あたしも、ちょっときついかな」と悩むような表情だ。
加蓮も「私も。バラエティは好きだし、期待にも応えたいけど」と困っている。
ううん。やはり断るべきだろう。笑いをとるためにはまずは彼女らが笑えなければ。
と思っていたら「じゃあ」と手を挙げる各ユニットのリーダー。
「え? え?」と三人は困惑し、流れに乗った。
「大丈夫。二人がいれば頑張れると思うし。私、やってみる」と凛。
「あー、やればいいんだろ、やるよ、やりたいし!」と照れくさそうに奈緒。
「うん。Pさんも応援してくれるみたいだし……」と俺のほうを見て加蓮。
されど各リーダーも仕事が舞い込むという表情を表面に譲らない。
笑いをこらえているのが目に見えてわかる。困惑している三人は気付かない。
「いや、無理にしなくていいんだぞ」と言うと「いいの!」と息がぴったりな反応だった。
これはもう止められない。
「うちがやる!」という議論も頂点に達するときだった。
頃合いを見計らったかのようにバラエティでお馴染みのあの発言だった。
「どうぞどうぞ」
おわり
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