過去ログ - 幸子「12cmの贈り物」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/26(木) 02:53:02.50 ID:UHZTgUVzo
 カップに紅茶を注ぎながらぽつりぽつりと話しだす。紅茶が入る前のカップは、ほんのりと温かかった。

「営業先の人とかにね横柄な態度を取られたり。まぁ理由は言わなくても、幸子ならわかるよね」

 その言葉に胸を詰まらせる。今はもうないけれども、ボクがデビューし初めの頃なんかは、その、言葉に表したくないことだってあった。

「それに、共演者にだって下に見られることがある。自分もそうだけど、アイドルも」

 横目で伺うプロデューサーさんの顔は悲しそうな表情をしていた。こんな顔は、最近はあまり見なかった。

「でもやっぱり、事務所に所属するアイドルに舐められてるのもプライド的に傷つくよなぁ」

「あ、あはは」

 そんな乾いた笑いしか出せなかった。冗談で言ったのかは定かではないけども、ジトリとこちらに向ける瞳だけは冗談だと信じたい。


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