過去ログ - 一方通行「痴女ファッションと垣根帝督と俺」 -SS速報VIP

過去ログ - 一方通行「痴女ファッションと垣根帝督と俺」

↓ 1- 覧 板 20

91: ◆wIGwbeMIJg[saga]
2013/12/28(土) 22:40:17.73 ID:/cxA2EHB0
一方通行が目覚めたのは、ソファの上だった。
見慣れた白い背凭れを寝惚け目に捉え、顔をしかめる。
寝返りをうつように体勢を変えると、これまた見慣れた四人の同居人が、同じ表情で固まっている様が目に飛び込んできた。

「あれあれ？何だか夢でも見てたような気分……って、ミサカはミサカは違和感を訴えてみたり」

「なんか、ドーン！ってなったような、ならなかったような気がするじゃんよ…？」

「……うまく言えないけど、途轍もなく空腹な事だけは分かるわ。愛穂、早くご飯」

「…どうしたの？いつになく馬鹿みたいな顔してるけど」

「………うるせェ。何でもねェよ」

体を起こすと、手の甲に妙な感覚を覚えた。
誰かにはたかれたような、じんわりと広がる痛み。
何故だかそれに、酷い苛立ちを感じた。
圧倒的な違和感。
絶対に何か重要な事を忘れているのに、少しも思い出せない時と同質のものだった。

「………出掛ける。すぐ戻るから誰もついて来ンじゃねェぞ」

「え？どこ行くの、ってミサカはミサカは……」

「ぎゃは。この歳で放浪癖とは、これはもう老い先短いかもしれないね」

「一方通行？晩飯前には帰ってくるじゃんよー」

「うぜェ…」

吐き捨てて、玄関の戸を閉める。
何かは分からないが、確かに忘れている。
忘れているはずなのに、向かうべき場所は何となく分かってしまった。
何かに引き寄せられるように、一方通行は歩みを進める。

<<前のレス[*]｜次のレス[#]>>

143Res/79.41 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ