過去ログ - 【咲安価】 京太郎「これが俺の、最後の……変身ッ!」  最終話【ライダー】
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41: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2013/12/30(月) 03:21:41.55 ID:WKY7KPnwo

 寝てろと言われて、寝てられるものではない。
 何とか身を起こし、目の前のグリード目掛けて走り出す。
 振り上げたメダガブリューを、その勢いで下ろし――


もこ「寝てて」

もこ「ね?」


 一撃。地面に叩き付けられた。
 その腹のあたりを、グリードの足先が跳ねる。
 急転する上下と異常なまでの加速の衝撃で、視界が目まぐるしく揺れた。
 碌に受け身も取れずに、地面と衝突。

 体は限界を告げていた。
 元々罅割れていた五感は、さらに警鐘を鳴らす。
 ここが限度だと――全身が表現する。

 だが、止まらない。止まってなどなるものか。

 歯を食いしばり、立ち上がった。
 皆に、近付かせてはならない。皆の元に向かわせてはならない。
 ここで自分が、止めなくてはならないのだ。


京太郎「う、おぉ――――!」


 痛みを噛み殺し斬りかかった。
 それは往なされた。だが構わず、尻尾の一撃。グリードの身体を、跳ね飛ばす。
 回る勢い。地を蹴り、メダガブリューの斬撃。重力と速度を合わせた攻撃だ。

 それも、及ばない。
 すんでのところで回避されてしまっていた。
 それでも構わない。躱すということは、相手にも通じるということだ。
 無理に避けて体勢が崩れたグリード目掛けて、追撃を行う。


もこ「……はぁ。しつこい男だと、嫌われちゃうよ?」


 その掌から放たれる波動が、京太郎をいとも簡単に吹き飛ばす。
 背中から打ち付けられた。肺から、空気が零れ落ちる。
 思い切り咽た。口腔に溢れる血の味と、鼻腔を漂う血の香り。
 狂った五感のせいでそれが果たして本当に血なのか判らないが――また、その味と匂いで咽る。

 それが痛みに響いた。体を丸くして、その場で蹲っていたかった。

 でも、立つ。
 こんなところで、屈せられない。こんなところで、倒れていていいはずがない。
 だから――立つ。



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