過去ログ - 【咲安価】 京太郎「これが俺の、最後の……変身ッ!」  最終話【ライダー】
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42: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2013/12/30(月) 03:23:12.96 ID:WKY7KPnwo

京太郎「う、ぁ……俺が……! 俺が、皆を、護らないと……!」


 矢尽き、刀折れ。
 それでも須賀京太郎は、身を起こした。
 その手に握った、紫の戦斧が零れ落ちる。
 肩息の度に、口腔を支配する鉄錆の味。

 最早、京太郎に残された手段はたった一つしかなかった。

 そして京太郎は、それを強く願った。それこそが己の欲望であると、声を上げた。
 その声に――体内のメダルが応える。


 器の空虚は、膨れ上がる京太郎の器の方向が決定される。
 彼の欲望は守る事。
 大星淡を。神代小蒔を。江口セーラを。新子憧を。白水哩を。鶴田姫子を。染谷まこを。片岡優希を。
 自分に関わった人々を。
 自分の手の届く範囲の人々を。
 傍にいて寄り添って――その存在を。

 護りたいと思う人々を、護る事。


 死なせたくない。もう誰も。
 これ以上、死んでほしくない。誰の手も放したくない。

 その手が、恐竜のそれに変貌した。


小蒔「京太郎、くん……!」

セーラ「きょ、うたろ……それは、アカン……!」

哩「ぁ……そいば、お前がそうしたら……、お前は……!」

姫子「そいしよっぎ、絶対に悪か……! そいは、悪かよぉ……! きょーたろ君ぅ……!」

憧「あんたを、助けるために……! ここ、まで、来た……のに……あんたが、今……それを、やったら……!」

カザリ「京太郎……君、それ……!」

アンク「チッ……オイ、何考えてるんだ!」


 判っていた。
 皆がどれほどまでに自分のことを考え、決死でこの場所に戻してくれたのかも。
 その為にどれほどの痛みと苦しみに耐えたのかを。

 だけど――。

 そこまでしてくれた皆を。傍に居たいと思った皆を。
 今現実自分が傍にいて、護ることができる――ここには自分しか護るものがいないときに――。
 須賀京太郎に使える力は、ただの一つしかなかった。
 それしか、存在していないのだ。


京太郎「――俺を、見ないでくれ……!」


 京太郎の世界が滅ぶ。
 京太郎の姿が変わる。
 京太郎の命が燃える。

 欲望の強い認識と共に――。

 彼は、紫色のグリードへと、変貌を遂げた。




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